グリーンピース調査:世界的ブランドとインドネシアの熱帯雨林破壊のつながりが明らかに
RELEASE 2018.09.20

グリーンピース調査:世界的ブランドとインドネシアの熱帯雨林破壊のつながりが明らかに

【ジャカルタ】国際環境NGOグリーンピース・インターナショナルは本日9月20日、インドネシアの森林破壊に関する調査結果のレポートを発表(注1)し、パーム油生産者や世界的ブランドを展開するユニリーバ、ネスレ、コルゲート・パルモリーブ、モンデリーズ・ジャパンなどが、過去3年のうちに、シンガポールの国土の約2倍の面積にあたる熱帯雨林を破壊したことを明らかにしました。

グリーンピース・インターナショナルが25の主要なパーム油生産者による森林破壊を調査したところ、次のことがわかりました。

25社のパーム油企業が、2015年末から13万ヘクタール以上の熱帯雨林を破壊した

・つい最近までパーム油産業の手が加えられていなかった、地球上で最も豊かな生物多様性をもつ地域の一つである、インドネシアのパプア州では、その40%(51,600ヘクタール)の森林が破壊された。

・12のブランドが、少なくとも20社のパーム油企業から供給を受けていたことを特定した。ブランド:コルゲート・パルモリーブ、ゼネラル・ミルズ、ザ・ハーシー・カンパニー、ケロッグ、クラフト・ハインツ、ロレアル、マース、モンデリーズ、ネスレ、ペプシコ、レキットベンキーザー、ユニリーバ

・世界最大手のパーム油会社ウィルマー・インターナショナルは、これらのパーム油企業のうち18社から調達していた。

この調査によって、世界最大手のパーム油取引企業であるウィルマー・インターナショナルが熱帯雨林破壊と関連していることがわかりました。2013年、グリーンピース・インターナショナルは、ウィルマー・インターナショナルとその供給企業が森林破壊、違法な伐採、泥炭地の火災、および広範囲に渡るトラの生息地の減少に責任があることを明らかにしました。 同年の後半、ウィルマー・インターナショナルは画期的なNDPE(森林破壊ゼロ、泥炭地ゼロ、搾取ゼロ)方針の政策を発表しました。 しかし、グリーンピースの分析によると、ウィルマー・インターナショナルは熱帯雨林を破壊し、地元のコミュニティから土地を奪っている供給企業からパーム油を得ていることが示されたのです。

グリーンピース・インターナショナルのインドネシア森林キャンペーンのリーダー、キキ・タウフィックは「パーム油は、熱帯雨林を破壊せずに生産することが可能です。 しかし私たちの調査によれば、ウィルマー・インターナショナルの取引するパーム油は、熱帯雨林の破壊ですっかり汚染されているものです。 日用品などを扱うユニリーバ、ネスレ、コルゲート・パルモリーブモンデリーズのような多国籍企業は、持続可能なパーム油のみを使用すると約束していましたが、それを果たしていません。これらの企業は、ウィルマー・インターナショナルのパーム油が持続可能であることが証明されるまで使用をやめ、この問題を直ちに解決するべきです」と述べました。

森林破壊に加えて、報告書にある25の事例には、搾取および社会的対立の証拠、違法伐採、許可のない開発、保護地域における開発、土地開拓よって引き起こされる森林火災が含まれています。これらは、インドネシアのパプア州における森林減少を説明する最も包括的な評価でもあります。キキ・タウフィックは「パプアは地球上で最も生物多様性のある場所の一つで、その自然のままの森林は、最近までインドネシアのどこかで起こっている自然破壊に影響されずに、保たれてきました。 しかし今やパーム油産業は驚くべき速度で森林を破壊し、森林開拓を行っています。 パプアの美しい森林は、スマトラやカリマンタンのようにパーム油のために破壊されてしまうでしょう」と警鐘を鳴らしました。

パーム油の環境、人々、地球気候へのインパクト
・ボルネオ島のオランウータン人口の半数は、パーム油産業による生息地の破壊が主な原因で、わずか16年で消滅してしまった。 トラ、オランウータン、ゾウが住むテッソニロ国立公園の4分の3以上が違法パーム油のプランテーションに転換されている。 世界的に見て、193種の絶滅危惧種はパーム油生産によって脅かされている。

・インドネシアの森林破壊の最大の要因は、プランテーション部門(パーム油とパルプ)である。 インドネシア政府が公表した数字では、1990年から2015年の間に、約2,400万ヘクタールの熱帯雨林がインドネシアで破壊された[1]。

・森林破壊と泥炭地の破壊は、気候変動に寄与する温室効果ガス排出の主要な原因である。 これによりインドネシアは、米国・中国と並び、世界の排出国の最上位層に押し出された。

・プランテーション開発は、インドネシアの森林と泥炭地の火災の原因である。 2015年7月には、スマトラ、カリマンタン、パプアに大惨事が広がった。 これらの火災は、東南アジア全域の何百万人もの人々に影響を与えた煙霧を生み出した。 ハーバード大学とコロンビア大学の研究者は、2015年のインドネシアの火災による煙が10万人もの早期死亡を引き起こしたと推定している。 世界銀行は災害の費用を160億ドルと算出した。

・ウィルマー・インターナショナルや他のパーム油企業は、多くの場合、労働者、子ども、地域社会を搾取すると非難されている。

また、グリーンピース・ジャパンでは同日、「森を壊すパーム油をやめて」署名(注2)を開始しました。


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注1)レポート「Final countdown」日本語サマリー/
レポート完全版(英語)
注2)署名「森を壊すパーム油をやめて」

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