2018/02/16 中長期的なモニタリング体制の構築を政府に要請ーー油の漂着、奄美大島で現地調査を実施
RELEASE OCEAN 2018.02.16

2018/02/16 中長期的なモニタリング体制の構築を政府に要請ーー油の漂着、奄美大島で現地調査を実施

国際環境 NGO グリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は16日、先月6日に東シナ海で貨物船と衝突し、漂流後に沈没した軽質原油コンデンセート11万1千トンを積んでいた石油タンカー「Sanchi」から流出したと思われる油が、鹿児島県トカラ列島の宝島周辺の海域に漂流したことを受け、日本の関連省庁に対し、中長期的なモニタリング体制の構築などを求める要望書を提出しました(注1)。また、グリーンピースは、奄美大島で2月12日から14日にかけて油の漂着物の状況確認と住民への聞き取り調査を行いました。

グリーンピースは、政府に対し、以下の項目の早急かつ適切な対処を要請します。

  1. 事故現場および油類が漂着した場所の生態系への影響を見極めるために、中長期的なモニタリング体制を構築し、影響を除去・緩和するための計画を作成し実施する
  2. 目視できる漂着油を除去した後も、炭化水素が砂に入り込んだ箇所、岩などに油がこびりついた箇所では汚染物質の100%の除去は困難であるため、当該地においても継続的なモニタリングの実施と、モニタリングで得られたデータの情報公開を行う
  3. 海洋生態系および海水調査の結果を特に地元住民に積極的に公開する
  4. 国際的な調査チームをつくり、そのデータを他国と共有する

現地調査では、油の漂着物は東シナ海に面する北西の海岸に広がり(注2)、奄美市の朝仁海岸や大浜海浜公園では回収作業が進み、設置されたドラム缶に回収された漂着物が集められている様子を確認しました。それに対し、奄美市知名瀬(ちなせ)の砂浜や龍郷町円集落付近の捨川(すてご)の砂浜には、回収されていない油の漂着物が多く流れ着いていました。また、知名瀬の海岸で油が付いた海鳥オオミズナギドリの死骸を見つけ、環境省に報告、同省がその死因を調べています。

写真:知名瀬海岸のオオミズナギドリの死骸

写真:龍郷町円集落付近の浜辺に広がる油の漂着物

住民への聞き取り調査で、龍郷町芦徳でモズク漁を営む前田将一さんは、「近くの浜辺には油の漂着はないものの、モズクの生育に対する影響が心配。消費者に引き続き安心して買ってもらえるようデータや情報が欲しい」と話しました。さらに、住民の大石彩圭さんは、「今年の夏も子どもと海水浴ができるのか、ウミガメの産卵に影響はあるのかが懸念。安全なら安全という科学的事実をもって安心したい」と語りました。

奄美大島で撮影した写真・動画はこちら

注1)グリーンピース・ジャパン「東シナ海で沈没したタンカーからの流出油等についての要望」

注2)奄美大島漂着油マップ

*2018年1月15日にグリーンピースが発表した事故の概況についての報告書

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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