緊急声明:三井住友FG石炭火力与信方針の「さらなる厳格化を検討」発言を環境NGOが注視
RELEASE ENERGY 2018.05.17

緊急声明:三井住友FG石炭火力与信方針の「さらなる厳格化を検討」発言を環境NGOが注視

三井住友フィナンシャルグループ(以下:三井住友FG)の國部毅社長が5月14日に行われた決算会見において(注1)、石炭火力発電事業への融資方針に関して「石炭火力発電は気候変動への影響が大きいことから、同事業への与信方針についてはさらなる厳格化を検討している」と記者団に発言したことが報じられている。同様に、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の平野信行社長も石炭火力発電事業への融資方針に関するコメントを述べている。みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)からはこれに関連する発言はが出されていない。

私たちは、この動きに大いに注目しており、パリ協定の目標を実現するため、これらの発言が具体的に国内外の石炭火力発電事業および石炭採掘事業への新規融資を中止する方針へとつながることを期待している。

同会見で、國部社長は「現在、石炭火力発電事業への融資についてはOECDのガイドラインに沿って、一定基準を満たす案件であることを確認した上で個別に慎重な判断を行っている」とも言及している。しかし、3大金融グループはOECDの規定では効率が低く支援対象外とされている大型の超臨界圧技術を用いたベトナムのギソン2石炭火力発電事業への融資を行っている。また、このプロジェクトへの融資は銀行による環境・社会リスク管理を定めた重要な取り決めである「赤道原則」に違反している可能性があると指摘されている。インドネシアにおいても、深刻な人権侵害や環境破壊を起こしている問題のある石炭火力発電案件に3大金融グループが融資を行っている。また、日本各地で建設が計画されている石炭火力発電所40基以上に関与する企業にも3大金融グループが資金提供を行っていることも明らかになっている。

三井住友FGを含め3大金融グループには、国内外の石炭火力発電事業や石炭火力発電に関与する企業への新規融資を将来的にすべて引き揚げることこそが、石炭火力に対する姿勢として求められている。

欧米では、複数の主要銀行が気候変動の原因である二酸化炭素(CO2)を最も多く排出する化石燃料関連企業、特に石炭関連事業や企業から投資撤退するダイベストメントをすでに進めている。欧州のING銀行、BNPパリバやドイツ銀行は新規の石炭火力発電事業に対する投融資を禁止しているとともに、石炭火力発電に関与する企業への投融資も制限すると発表している。

現在、350.org Japanおよび賛同団体が、三井住友FGを含む3大金融グループを対象に展開している「石炭火力発電事業及び石炭採掘事業への新規融資に関する要請」をもととした国際署名では、3社に対して石炭火力発電事業及び石炭採掘事業への新規融資の停止および「パリ協定」に整合した事業戦略や明確な指標や目標を公表することを求めている。(注2)

私たちは三井住友FGを含む3大金融グループが、パリ協定と整合性のある、石炭をはじめとする化石燃料への投融資方針を迅速に策定・公開することを期待している。

注1)Bloomberg報道

注2)「石炭火力発電事業及び石炭採掘事業への新規融資に関する要請」では国際環境NGO 350.orgの日本支部(350.org Japan)は賛同団体とともに、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)および三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)に対して2018年9月12−14日に行われる世界気候行動サミット(Global Climate Action Summit)及び国連責任投資原則(PRI)年次総会前までに以下を求めている。1.気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言にもとづき、温室効果ガスを大量に排出する分野への投融資状況を公開すること、2.世界の平均気温の上昇を摂氏2度未満に抑えるシナリオに整合した事業戦略や明確な指標や目標を公表すること、3.パリ協定の目標達成のため、石炭火力発電事業及び一般炭の採掘事業に関与する企業への新規融資を中止すること。

※5月17日19:30、一部内容を更新しました。

 

国際環境NGO350.org 日本支部 350.org Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)

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国際環境NGO FoE Japan
気候ネットワーク
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