農産物検査法の厳しい基準がネオニコチノイド系農薬の散布を引き起こす要因 ーーグリーンピースの生協アンケート調査で判明
RELEASE FOOD 2018.06.19

農産物検査法の厳しい基準がネオニコチノイド系農薬の散布を引き起こす要因 ーーグリーンピースの生協アンケート調査で判明

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は本日6月19日、今年3月から5月にかけて全国の地域購買生協(以下生協、6連合会を含む24生協が回答、注1)を対象に行なった、農産物検査法とネオニコチノイド系農薬の水田への散布に関するアンケート調査の結果を発表しました(注2)。調査から、農産物検査法における斑点米(黒い点のある米)の基準が、ネオニコチノイド系農薬の使用をやめられない要因になっていることが分かりました(注3)。

農林水産省は、着色粒(斑点米)に厳しい基準を設ける理由は、斑点米が消費者からの主なクレーム要因だからと説明します。しかし、調査から、斑点米への消費者クレームが実際はほとんどないことが分かり、その根拠を裏付けることはできませんでした。

調査で明らかになったこと

1. 斑点米の混入基準が農家の殺虫剤散布を促進している

生協の回答によると、生産者がネオニコチノイド系農薬等の使用をやめにくい主な理由は、「米の出荷時の等級と価格が下がること」が最多で、消費者のクレームよりも、斑点米の混入上限規程の厳しいことが農家の殺虫剤散布を促進している実相が浮き彫りになった。

2. 生協の消費者から斑点米に関するクレームは少ない

最も多いクレームは、虫の発生や混入を挙げた生協が10、異物(石・籾・糠玉)の混入が7、「食味」、「着色米」、「特に無い」がそれぞれ2生協、袋の破損が1生協だった。

3.現場では、ネオニコチノイド系農薬を使わないための取り組みが進んでいる

農家に散布を強いないための試みとしては、2連合会を含む13生協が「独自の取り組みがある」と回答し、具体的には「一等米と二等米を同じ価格で買い取る」が最も多く7生協(1連合会を含む)、「同価格ではなくても価格差を独自で縮小」が3生協(1連合会を含む)あった。

この結果を受けてグリーンピースは、ミツバチに有害なネオニコチノイド系農薬の散布を促進している農産物検査法の見直しを、農林水産省に求めるため、来週6月26日(予定)、他7団体とともに、同農薬の水田での使用禁止と米の検査規格の見直しを政府に求めるキャンペーン(注4)に集まった署名約1万5,000人の市民の声を、農林水産大臣に届けます。

注1)6連合会に加盟する生協は合計で36生協

注2)グリーンピース・ジャパン ブリーフィングペーパー「ネオニコフリーを可能にする生協の取り組み」

注3) 回答は生協によるものであり、生産者に直接尋ねた回答ではありません。

注4)NGO8団体、田んぼでミツバチに有害なネオニコチノイド系農薬の禁止とお米の検査規格見直しを求める新キャンペーン開始

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