グリーンピース、厚生省・環境庁へ申入れダイオキシンの早急な対策を
RELEASE OTHERS 1996.07.29

グリーンピース、厚生省・環境庁へ申入れ
ダイオキシンの早急な対策を

国際環境保護団体グリーンピースは本日、ダイオキシンのより厳しい規制を要請するため、厚生省と環境庁へ申入れを行なった。

同団体は、キャンペーン船グリーンピース号(905トン、オランダ)で7月3日よりゼロ・ダイオキシンツアーを展開し、日本各地を訪れダイオキシンの脅威を訴えてきた。ツアー中にミーティングを行った地方議員、NGOや一般市民の「ゼロ・ダイオキシン」を望む声を届けるのがこの申入れの目的。厚生省の申入れにはウルフ・ビルガンダー船長(スウェーデン)、グランデ・サントス一等航海士(スペイン)とグリーンピース・ジャパンのスタッフ4名、清水澄子参議院議員をはじめ、地方議員・NGOなど10名ほどが参加。環境庁へはグリーンピースの6名が参加。

10:30からの厚生省産業廃棄物対策室での申入れでは、菅厚生大臣宛の要請書(別添参照)を手渡し、ダイオキシン汚染の実態調査やこの6月に厚生省が発表したダイオキシン摂取基準より厳しい設定などを要請した。
11:30からの環境庁環境安全課への申入れでは、ツアー中に集めた1,487人の要望書を渡すと共に、岩垂環境庁長官宛てのダイオキシン対策を求める要請書(別添参照)を手渡した。

申入れに先がけ、厚生省前ではダイオキシンの早急な対策を求めて、バナーアクションを行なった。厚生省前には、グリーンピース号の乗組員8名とグリーンピース・ジャパンのスタッフ6名が「死ヌマデ待テナイ。今ゼロ・ダイオキシンの対策を」という横断幕を掲げた。また、グリーンピース・ジャパンの海洋汚染問題キャンペーナーの福田未来子が「ダイオキシンは確実に私達の健康を脅かしつつある。今すぐに対策を取るべきである。」などと訴えた。

なお、午後2:00からグリーンピース・ジャパンのツアー報告とダイオキシン問題の第一人者である摂南大学の宮田秀明先生の講演会を行う。

厚生大臣への要請書

厚生大臣、菅直人殿

ダイオキシン対策を求める要請書

グリーンピース・ジャパンは、ダイオキシンの危険性及びその発生を抑えるための対策の必要性を訴えて全国をキャンペーンしてきました。そこで私たちは、ダイオキシンに対する多くの市民の高い関心と懸念を実感して参りました。
ダイオキシンは塩ビ製品や塩素系農薬の製造過程や塩素漂白などの工程で発生すると同時に、このようにして作られた製品の廃棄、とりわけ焼却によって発生することが明らかになっています。
日本各地をまわり、廃棄物行政の現場も訪れましたが、ダイオキシンをはじめ様々な有害物質に対する認識の欠如に改めて驚かされました。つきましては、このような日本の現状を根本から改善することが必要と考え、以下の申入れを致します。

廃棄物の焼却処理に伴うダイオキシン汚染の実態調査を行なうこと。

都市ゴミの焼却によるダイオキシン発生、並びに焼却灰の最終処分におけるダイオキシンの汚染は深刻な問題になっているが、その実態は正確に把握されていない。これらの実態調査を早急に行なうことが必要である。

産業廃棄物の処理及び最終処分の実態調査を行なうこと。

産業廃棄物の処理及び最終処分については、有価物という名目で持ち込まれ、不法投棄されている産業廃棄物も実態調査の対象とすべきである。そのためにダイオキシン発生の原因となる塩素を使用、あるいは塩素を含む製品を生産する企業が、その廃棄物を最終的にどのような形で廃棄しているか、そして中間処理業者において実際どのような処理が行われているかの詳細な調査が必要である。

ダイオキシン発生の原因となる塩素の使用を最終的に廃止すること。

日本でダイオキシンの発生源として特定できているものの8割は都市ゴミの焼却炉である。塩ビ製品をはじめ、塩素を使用し続ける限り、ダイオキシン汚染は決してなくならない。この都市ゴミの焼却からのダイオキシン発生を根本的に止めるには、様々な製品への塩素使用を最終的に廃止することが不可欠である。
また、溶剤、漂白、触媒など製造工程における塩素の使用もダイオキシンの発生源となっておりそれらの使用中止も重点的に取り組まれるべきである。

現状を改善できるようなダイオキシンの基準を設定すること

厚生省が6月に中間報告として出したダイオキシンのTDI(一日耐用摂取量)の10 /pg/kg/dayは、コプラナーPCBを含んでおらず、人々の摂取実態に合致していない。また平均的な人の現在のダイオキシン蓄積レベルでさえ健康に悪影響を及ぼしている恐れが有り、厚生省の示した値ではこれを改善することはできない。より厳しい基準の設定が必要である。

以上
1996年7月29日

環境庁長官への要請書

環境庁長官、岩垂寿喜男殿

ダイオキシン対策を求める要請書

ダイオキシン汚染の報告は各地で相次いでおり、深刻度を増しています。またダイオキシンのごく低レベルの長期的な曝露によっても免疫不全、ホルモン異常などを引き起こす恐れがあることが警告されており、環境に放出されるダイオキシンの規制を設けることが早急に必要です。さらに、国際的にはダイオキシンなどの残留性有機汚染物質の規制・全廃へ向けての条約化の動きが本格化しています。
グリーンピースは約1ヶ月にわたり、ダイオキシンの危険性及び発生を無くすための対策の必要性を訴えて全国キャンペーンをしてまいりましたが、各寄港地で集めたゼロ・ダイオキシンの達成を求める要望書を、市民の意志表示としてここに提出し、重ねて以下を要請致します。

ダイオキシン発生ゼロを目標とした、法的拘束力のある規制を設けること

環境庁ではダイオキシンの規制を検討されていますが、クリーンプロダクション(3参照)の実現を通して究極的にはダイオキシンの発生ゼロをめざし、法的拘束力があり、汚染の現状を改善することのできる厳しい規制を求めます。

発生源の特定を早急に行なうこと

ダイオキシンの発生源は現在ほとんど特定されていません。塩素製品の製造過程や、不適切に処理された産業廃棄物やその不法投棄他、未確認の発生源を早急に解明することを求めます。

ダイオキシン類及びダイオキシン発生の原因となる塩素の使用を最終的に無くしていくための措置をとること

塩素の使用に伴って非意図的に生じる猛毒物質で、発生源のほとんどが特定されていないダイオキシンの発生をゼロにしていくために、塩素を使用しない工程及び代替製品「クリーンプロダクション」への移行によって最終的には塩素への依存をなくしていくための措置をとることを求めます。

以上
1996年7月29日

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