プルトニウムの矛盾の波に漂うパシフィック・ティール号
RELEASE ENERGY 1997.03.18

プルトニウムの矛盾の波に漂う
パシフィック・ティール号

環境保護団体グリーンピースは、本日午前8時半頃、高レベル放射性廃棄物を積み青森のむつ小川原港に入港した英国船籍パシフィック・ティール号に対し、ゴムボート(全長3.8m・幅1.8m)二隻で港内に乗り入れ海上抗議行動を行なった。ゴムボートには各三名、合計六名が乗船しており、「No! 核のゴミ」と書かれた横断幕をそれぞれ掲げ、パシフィック・ティール号と並走した。

一方、むつ小川原港岸壁では、グリーンピースが「原子力発電に終えんを!」と書かれた長さ5mの横断幕をクレーンで吊りあげ、青森県内をはじめ全国から集まった市民約300人とともに、放射性廃棄物を生み出し続ける原子力政策そのものを転換するよう激しい抗議の声を上げた。現場には、陸海で警察や海上保安庁の警備が厳戒体制で行われており、緊張が走った。

今回返還された高レベル放射性廃棄物は、ガラス固化体40本(約20トン)。これは、日本の原子力発電所の使用済み核燃料を仏のラ・アーグに輸送し、コジェマ社で再処理を行ない最終的に生み出された廃棄物である。
このガラス固化体の1m以内に近づけば、即時に致死量に達してしまうほどの大量の放射能が放出されている。

今回の輸送は、1995年に28本のガラス固化体を南米マゼラン海峡まわりで運んだのに続き、二回目の返還輸送である。フランスと日本は今後一年間に、あと二回の輸送を密かに計画している。
これから十年間で、仏のコジェマと英のBNFL社が再処理を行ない日本に返還する廃棄物は、ガラス固化体で3,000本にも上る。
六ヶ所村は一時的な貯蔵しか受け入れておらず、これら全部を貯蔵する将来的な解決策はまったくできていない。

日本のプルトニウム政策は、深刻な失敗の連続である。 1995年12月、高速増殖炉もんじゅが大量のナトリウム漏れ事故を起こし、動燃は、この大事故の重大な情報を隠匿した。日本政府は、もんじゅを停止せざるを得なくなり、二度と再開することはできないだろう。
日本は16トンものプルトニウムを保有しながら、現在そのプルトニウムからエネルギーを全く生み出してはいない。もんじゅを失ったということは、プルトニウムを分離することの正当性まで失ったということである。

また一週間前の3月11日には、動燃の東海村再処理工場で爆発事故が発生した。37人の作業員が被爆し、環境中に少なからぬ放射能が放出された。
またしても、動燃は、情報提供を遅らせ、現場で一体何が起きたのか、どのくらい事故の影響があるのかを明らかにしていない。
事故の内容が明らかになるにつれて、再処理そのものが、どんなに危険なシステムであるか誰もが知ることになるであろう。今回の事態は、かなり深刻な状況であるにもかかわらず、橋本首相は「動燃の通報遅れが今回の事態を必要以上に大きなものにしつつある点については、政府として責任を感じている」と、見当違いの陳謝をしている。

パシフィック・ティール号は、1月13日仏シェルブール港を出港し、南アフリカから南西太平洋を通過して、本日むつ小川原港に入港した。
多くの国の政府が秘密の輸送に抗議し、経済水域内に進入しないようよう要求した。92年のあかつき丸のプルトニウム輸送、95年の六ヶ所村への一回目の核廃棄物輸送の際と同様である。
これから一年の間に、フランスから日本へ二回も核廃棄物輸送が密かに行われるのではないかという情報は、日本のプルトニウム政策に対する国際的非難を、ますます激しくするだろう。

日本のプルトニウム政策は、ぐらついている。事故から事故への繰り返しである。グリーンピースは、日本のプルトニウム利用政策には商業的妥当性は全くなく、今すぐ止めるべきである、と強く主張する。

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