原子力は地球を救わない
RELEASE ENERGY 1998.11.12

原子力は地球を救わない

日本の環境NGOから、日本政府に対して送付されたメッセージ。
気候変動枠組み条約第4回締約国会議の会場(アルゼンチン)で
真鍋環境庁長官にも手渡された。

わたくしたち日本のNGOは、日本政府に対し、
原子力をCDMの対象に入れない立場を明確にすることを求めます。

日本政府や電力業界は、原子力を「二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギー」であると主張し、地球温暖化対策の柱に据えようとしています。アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されている「国連気候変動枠組み条約・第4回締約国会議」(COP4)においても、原子力産業界の大宣伝が繰り広げられています。

昨年、COP3で採択された「京都議定書」では、省エネルギーや再生可能エネルギーの普及が、温暖化問題を解決するためのエネルギー政策として推奨されていますが、原子力については一言の言及もありません。

今、COP4において議論されているクリーン開発メカニズム(CDM)のシステムを使って、原子力を途上国に導入していく可能性が開かれようとしています。日本政府はブエノスアイレスにおいて、CDMのクライテリアに関しての明言を避け、「相手国の側が原子力を持続可能であるかどうか判断する問題」として、CDMを使っての原子力導入の可能性を認めています。

原発によって生み出される何万年もの管理が必要な放射性廃棄物の問題を解決した国は世界には一国もありません。原発は、巨大事故の危険性、労働者被爆の問題など、多くの深刻な環境負荷をもたらす、決して持続可能なエネルギーではないのです。

以上のような観点から、わたしたちは、次の事柄を日本政府に要求します。

原子力をCDMの対象とすべきでないとの立場を明確にすること。

さらに、

今までの先進国の巨大プロジェクトの援助では、途上国を援助するという名目で先進国側が一方的な利益を得る例が多くみられました。CDMにおいても、持続可能な技術の移転や人材の育成など途上国の真の利益となって残っていくようなシステムの構築が必要です。

ODAなどの既存金融援助システムを利用せず、新規で追加的な資金援助を行うべきと考えます。

【賛同者】大林ミカ(原子力資料情報室)、志田早苗(グリーンピース・ジャパン)、岩松繁俊(原水爆禁止日本国民会議)、小倉正(熱帯雨林行動ネットワーク)、・山下裕史・鈴木亮・岸本聡子(A SEED JAPAN)、浅岡美恵(気候ネットワーク)、中島大(分散型エネルギー研究会事務局長)、岩本智之(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議:CASA)、飯田哲也(自然エネルギー推進フォーラム)、古沢広祐(環境・持続社会研究センター:JACSES)、田中 優 ・朴恵淑・畑直之・吉村純(市民フォーラム2001)、小野寺勇利(地球の友ジャパン:FoEJ)、平田仁子(ループホール研究会)、菅陽子(オゾン層破壊と地球温暖化を防止するための国際NGOフォーラム・日本:INFOG)、中川修治(太陽と風のトラスト)、佐々木佳継(京都・水と緑をまもる連絡会)、河村洋(公害・地球環境問題懇談会)、リック・デイヴィス(日本環境報)、月原貢三・渡辺裕文(ネットワーク『地球村』)、伊賀公一(適正技術研究会)、吉永瑞善(ピースネット)、細川弘明(佐賀大学農学部助教授)、大島堅一(高崎経済大学)、関智子、大久保彩子、溝口弘、仲田博康、その他

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