日本向けのMOX輸送船に対するグリーンピースの抗議行動で、出港に遅れ。
RELEASE ENERGY 1999.07.19

日本向けのMOX輸送船に対する
グリーンピースの抗議行動で、出港に遅れ。

警察と海軍の厳重な警備の中、グリーンピースの活動家は、7月19日早朝(英国現地時間)、フランスのシェルブール港に向けて、イギリス西北にあるバロー港を出発しようとしているパシフィック・ティール号に対し、抗議行動を行った。
この輸送は、これから10年間に日本に向け80回以上も行われようとしている核兵器転用可能なMOXプルトニウムの商業輸送の第1回目である。

本日19日午前2:30(英国現地時間)、核爆弾を排出する大きな白い象(white elephant:英国でお金の無駄使いという意味)が、バロー港の出入り口である水門前に牽引されてきた。
浮き台の上に固定された横断幕にかかれた白い象は、英国核再処理産業の拡大と日本との危険なプルトニウムの取引を提案に対し数百万ポンドを使うという、税金の無駄使いを象徴している。
一方2隻のゴムボートに乗船した12人の活動家は、
「STOP PLUTONIUM(ストップ・プルトニウム」とかかれた横断幕を掲げている。

午前3時頃、警察は浮き台やゴムボートの上の活動家を逮捕し始めた。
バロー港の埠頭には完全武装の警察官、マシンガンを携帯している英国原子力庁の警察官など50人がパシフィック・ティール号に乗船している。英国海軍の護衛艦は、バロー港で監視中のグリーンピースの船グリーンピース号を尾行している。

パシフィック・ティール号は、ラ・ハーグ再処理工場に保管されていたプルトニウム221kgを含むMOXプルトニウム燃料32集合体を積み込むため、シェルブール港に向かう。
シェルブールでは18日夜から、パシフィック・ティール号に積み込むためのプルトニウム燃料キャスク最終準備がコジェマ社によって行われている。

18日午後8時、プルトニウムのキャスクと思われる3台のトラックを護衛したテロリスト対策の警察を含む警備隊や武装した警察、ヘリコプターがシェルブールから30kmのValogne(バローネ)にあるコジェマ社の列車操車場を出発した。
小さな村々や町を抜けてシェルブールの港町にあるコジェマ社のドックに午後10頃到着した。

「白い象は、プルトニウム産業の愚行の象徴である。危険な核爆弾に使用されるプルトニウムを生産し、納税者に多くの負担をかけ、放射能で環境を汚染する」と
グリーンピース号に乗船している核問題担当のマイク・タウンズリーは述べた。

原子力業界は高速増殖炉でプルトニウムを燃やす計画に失敗し、従来の原子力発電所で使用する危険で非経済的なMOXプルトニウムを製造することで、セラフィールドの再処理を継続させようとしている。

輸送の許可を出した米国政府とともに英、仏政府は、日本への核兵器転用可能なプルトニウムを日本に供給することで、核兵器の拡散を止めようとする国際社会の努力を致命的なものにする。

グリーンピースの抗議行動に参加している韓国の環境保護団体 “Korean Federation of Environmental Movement(KFEM)” のNam-Hee Kwonは、
「これらの輸送が東シナ海を通過したり、アジアの更なる危険な核拡散を作り出し、韓国の環境を脅かすものである。平和を乱すこの輸送を中止してほしいという、韓国の人々の強い意志を示すために抗議行動に参加している」と述べた。

プルトニウムは、セラフィールドにある英国核燃料公社で日本から来た使用済み核燃料から取り出される。パシフィック・ピンテール号が積み込む燃料は、工場にある試験施設で製造された。
英国核燃料公社は、日本への輸送を無事に終えることで、英国政府からセラフィールドに大規模なMOX製造工場をつくる許可を得ようとしている。現在工場は、20年間の存続規模の7%以下しか契約している顧客がいない。
業界の経済成長の鈍化のなか、この生産高からの収入でさえ工場の建設費あるいは撤退コストもカバーすることはできない。

日本ではプルトニウム燃料は、関西電力(高浜)と東京電力(福島)の従来の原発に装荷される。これらの原発はMOX燃料を燃やすために設計されていないし、安全停止余裕を低くするものである。

グリーンピースは、英国政府に対しこの輸送をただちに中止するよう要求している。また新しいMOX製造工場の製造ラインを開始するという英国核燃料公社の申請を却下し、セラフィールドにある使用済み核燃料からプルトニウムを出さないよう、要請する。

* 午後2時現在(日本時間)、セラフィールドからバロー港に向け、関西電力(高浜)向けのMOX燃料全てが列車で輸送されている。

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