グリーンピース、佐賀県に対して「九州電力のプルトニウムMOX燃料使用計画に反対を」と要請輸送の危険性、既存の原子炉でのプルトニウム使用の危険性、核拡散の危険を訴え
RELEASE ENERGY 1999.09.07

グリーンピース、佐賀県に対して
「九州電力のプルトニウムMOX燃料使用計画に反対を」と要請
輸送の危険性、既存の原子炉でのプルトニウム使用の危険性、
核拡散の危険を訴え

【福岡発】

国際環境保護団体グリーンピースと韓国の環境保護団体KFEM(韓国環境運動連合)は、7日、グリーンピースのキャンペーン船アークティック・サンライズ号船上で記者会見を行い、プルトニウムMOX燃料使用計画の危険について訴え、佐賀県に対して九州電力の玄海原子力発電所でのプルトニウムMOX燃料使用計画について反対の立場を明確にするよう求めたと発表した。

グリーンピースは、プルトニウムMOX燃料使用計画について、
輸送時に事故が起これば取り返しのつかない環境汚染を引き起こすこと、
既存の原子炉でのプルトニウム燃料使用はより危険であること、
日本のプルトニウム計画は東アジアの軍事的緊張を増大させること
プルトニウムMOX燃料の使用済み燃料の処分方法が全く確立していないこと

を指摘し、計画実施に反対している。

先週、九州電力が玄海原子力発電所で「プルサーマル計画」を実施するとの報道があった。グリーンピースはこれに対して、「日本の既存の原子炉は、通常の燃料を使用してさえ事故を頻繁に起こしているのであるから、プルトニウムMOX燃料用に設計されていない原子炉でのプルトニウム使用は大変危険だ」として反発している。
日本政府の実施した世論調査でも、国民の約7割が原発の安全性について不安を感じているという結果が出ている。*1

グリーンピースは、佐賀県(原子力安全対策室)に対して、
「九州電力がプルトニウム燃料使用計画を実施するとなると、今後、少なくとも14回ものプルトニウムMOX燃料の輸送が行われることになる」と警告した。*2
その輸送は、韓国の南方沖を通って九州に持ち込まれることになるだろう。
韓国の観光地済州島は玄海原発からおよそ250kmしか離れていないし、韓国本土は200km以内という近さである。

グリーンピースとKFEMは、フランス政府によってなされた調査結果について詳細に述べた。その調査結果によれば、日本の電力会社の計画通りにプルトニウムMOX燃料を使用すると、原子炉の燃料棒が破壊されるリスクが増すという。

グリーンピースは、初めてのプルトニウムMOX燃料の輸送船到着を前に九州を訪れた。
プルトニウムMOX燃料は英国船籍の2隻の輸送船に積まれて欧州を7月21日に出発し、福島県と福井県の原発で使用されることになっている。
グリーンピースのキャンペーン船アークティック・サンライズ号は韓国釜山でのプルトニウムMOX燃料輸送抗議行動に参加した後日本に向かい、博多港に6日(月曜日)午前9時40分頃入港した。

韓国では日本のプルトニウム計画への反対が高まっている。韓国政府は今年6月に、韓国と福岡の間の狭い海峡を輸送に使用しないよう、日本政府に要請した。
これを受けて日本政府は、対馬海峡を通すのを取りやめ、北回りのルートで日本海側の原発にプルトニウムMOX燃料を運ぶことにしたと伝えられている。

「九州電力は、プルトニウムMOX燃料の既存の原子炉への装荷について安全面での懸念はないと主張し、県の安全対策室を欺こうとしている。
もし、九州電力がこの危険な計画を遂行すれば、原子炉の安全性は今よりもさらにおぼつかなくなってしまう。それは、九州の人々だけでなく、韓国の人々の健康や財産をも危険にさらすことになる。この計画は県と玄海町により拒否されねばならない」と
マイク・タウンズリーは述べた。

フランス政府の核規制当局は、問題の多いプルトニウムMOX燃料を既存の原子炉で使用することについて、より厳しい運転をすることを要求されている。また、フランスでは規制強化が提案されているにも関わらず、日本の九州電力と原子力安全委員会は安全性を無視して計画を強行しようとしている。
日本政府はプルトニウムMOX燃料を既存の原子炉で使用すべく準備を始めているが、関西電力と東京電力への許可手続きは早急にすぎる。

「この危険な計画の決定はここから900キロ以上離れた東京でなされた。直接脅威にさらされている九州と韓国の人々には相談もなかったのである。
海峡を隔てた両側の住民同士が手をつなぐべき問題だ。深刻なプルトニウム事故は漁業や観光に壊滅的な影響を与える。この計画はただちに中止しなければならない」と、
KFEMの権南姫(クォン・ナムヒ)は述べた。

「プルトニウムMOX燃料を使うべき正当性は何もない。原子炉の安全余裕を狭めるだけでなく、原子炉内部での放射性物質の死のカクテルを増加させる。つまり、事故がおきた場合に放出される放射能は通常の燃料の時よりもはるかに増大するのである。
また、東アジアでの軍事的緊張が高まっている現在、核兵器への転用が可能なプルトニウムを大量に保有する日本の計画は、この地域のプルトニウム弾薬庫に点火という脅威をさらに高めるものである」と
タウンズリーは付け加えた。

*1:2月に行われた総理府による世論調査では69.8%が原発の安全性について不安を感じているという結果がでた。敦賀の原発では冷却水が漏れ、緊急停止がなされた。

*2:九州電力は184トンの使用済み核燃料を英国のセラフィールドで、同じような量をフランスのラ・アーグのコジェマ社で再処理する契約を結んでいる。これらから3.5トンのプルトニウムが取り出される。一回の輸送が今回のように半トンとすれば、14回もの輸送が必要となる。

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