東電は本当にMOX燃料データ分析していないのか?福島MOX差止め裁判第5回審尋、3月1日、結審へ
RELEASE ENERGY 2001.01.30

東電は本当に
MOX燃料データ分析していないのか?

福島MOX差止め裁判第5回審尋、
3月1日、結審へ

福島県や全国の市民が東京電力福島第一原発3号機用ウラン・プルトニウム混合酸化(MOX)燃料差止めを求めた仮処分申請の第5回審尋で、東電は、1ミクロン単位でのMOX燃料寸法検査データのヒストグラムを作っていないと述べた。不正が有無を確かめるために不可欠な作業のはずである。

東電は、2000年2月に通産省に提出した報告書の中で、MOX燃料ペレットの寸法についての抜取検査で、本来、1ミクロン単位でデータがあるのにもかかわらず、4ミクロン毎にまとめたグラフを公表している。原告側は、これを、「1ミクロン毎のデータを使用したグラフでは、不正の跡が出てしまうために、わざと4ミクロン毎にまとめて出したのではないか」として、1ミクロン単位でのデータの公開を求めてきた。関電は、不正のあった高浜原発用のMOX燃料ペレットの寸法データに関しては、1ミクロン単位で公表している。

東電は、燃料を製造したベルゴニュークリア社工場内で、1ミクロン単位の燃料ペレット寸法データを確認したとしているが、原告側がそのデータをヒストグラムの形にして、不正が行われていないかどうかの分析を行ったかを問いただしたところ、「ヒストグラムは作っていない」と答えた。なお、1月20日付け仏紙「ル・モンド」は、ベルゴニュークリア社は4ミクロン単位での公表を指定したのは東電であったとしている。これに対し、東電は、記事は誤りであり、4ミクロン単位を指定したのはベルゴニュークリア社の方だとしているが、東電が1ミクロン単位でのヒストグラムを作成した結果、4ミクロン単位での公開を決めた可能性もある。

また、原告側が、運転中にペレットは膨らみ、被覆管は縮むので、不正のため規定よりも大きいペレットが混入していた場合、膨らんだペレットが被覆管を傷つけ(PCMI破損)、危険だと主張してきたが、東電は、大きいペレットが混入していても問題ないと主張した。原告側は、燃焼が進んだMOX燃料で、不良ペレットを使った実験がないので、証明できないと反論し、日本原子力研究所において、燃焼が進んだMOX燃料でのPCMI破損に関する実験は、これから行う予定となっており、安全性を重視するのならば、その実験結果を待つべきと主張した。

裁判長は、本件の争点は、

当該MOX燃料ペレットの寸法データ検査の際の、不正の有無。
不正のために、仕様外のペレットが当該燃料に混入していた場合の危険性。

であることを確認し、双方に最終準備書面を2月23日までに提出するように命じた。次回の審尋は、3月1日午前10時から。最終の審尋(結審)となる。決定(判決)はその後となる。

添付資料:東電MOX差止め裁判一般配布資料

東電MOX差止め裁判の会(20010130)

福島地方裁判所提出書類「沸騰水型原子炉におけるMOX燃料の品質管理の重要性」要旨
(ライマン博士 / 2001年1月)

内容:不良燃料が使用された場合の安全性の問題

要旨

燃料ペレットは運転中に膨らんでいく/被覆管は運転中に縮んでいく

ペレットと被覆管の隙間が無くなる

●制御棒落下事故の時や、出力が不安定になった時に「PCMI」(ペレットと被覆管の相互作用)破損の危険性がある
●ウラン燃料を使った最近の実験では、燃焼が進んだ燃料を用いると、低い熱量で燃料が粉々に破壊されることが明らかになった

しかし、燃焼が進んだMOX燃料を使った実験は行われていない

結論

MOX燃料での長期運転の場合の実験が行われていないままの使用は極めて無責任

東電MOX差止め裁判一般配布資料

準備書面(5)の重要な点 東電MOX差止め裁判の会(20010130)

■原告の主張を認めよ

ベルゴ社のMOX燃料ペレット抜取検査で不正の疑い
● 抜取検査で不合格がゼロ→統計的にありえない
● 1ミクロンデータ再現グラフで異常な形

不良ペレットの安全評価はされていないし、不可能(実験事実が無いため)

不良ペレットが使われれば事故が起きる可能性が高まる

事故が起これば、原告が被害を受ける

■東電は立証を放棄

東電の主張「不正事実の不存在などという消極的事実について債務者が立証責任を負わないことは言うまでもない」
「BNFL社とは異なり何ら不正の疑義がない状況において、これ以上のデータ公開を要求しそれを実現しえないことはやむをえないところである。」
―債務者準備書面(二)より

→ 原告が具体的な根拠を示して、不正の疑いについて立証活動をしているのだから、反証するのは債務者〔被告〕の責任

→ 反証できないなら原告の主張を認めるべき

■データ隠しは東電が指定

仏紙「ル・モンド」が4ミクロン毎のデータは「顧客側の指定」と報道
(東電はこれに対し「記事の内容には一部誤りがある」などとしている—-河北新報—-が、「顧客側の指定」が4ミクロン毎のデータを示していることは執筆した記者に確認済み。)

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