一般廃棄物焼却炉建設への税金投入は毎年約6千億~8千億円グリーンピースの委託調査によりはじめて判明
RELEASE ENERGY 2001.05.21

一般廃棄物焼却炉建設への税金投入は
毎年約6千億~8千億円

グリーンピースの委託調査によりはじめて判明

本日グリーンピース・ジャパンは、明日から始まる残留性有機汚染物質(以下POPsと略)条約採択会議を前に、国内の焼却偏重の廃棄物処理政策の中で、市民の税金がどれだけどのように投じられてきたか、その全貌を把握するための委託調査報告書「ダイオキシン対策などに伴う一般廃棄物焼却施設の建設費用:日本国内における全容と推移の把握」を発表した(添付資料1)。また、発表に先立ち、同報告書と、要請並びに質問書(添付資料2)を川口順子環境大臣宛に提出した。

PDFファイル:委託調査報告書「ダイオキシン対策などに伴う一般廃棄物焼却施設の建設費用:日本国内における全容と推移の把握」

1) 委託調査の背景

日本の一般廃棄物焼却施設に投じられた税金の全貌調査が必要であると考えた理由は、廃棄物処理の方法として焼却の妥当性や必要性の検証がないまま、次のような事態が国内外で進んできたことを懸念したためである。

近年、焼却炉の新設や改修、排ガス処理装置に、次々と多額の投資がなされてきたこと (一体どれほどの税金が投じられてきたのだろうか?)

ダイオキシン対策の名目で、焼却炉の24時間運転や、大型化によって廃棄物の焼却容量が増えていること (廃棄物の削減や循環型と矛盾する方向への国庫補助の実態はどのようになっていたのか?)

日本から途上国への、政府開発援助による焼却炉移転について途上国側の市民の懸念が強まっていること (焼却炉の輸出は本当に途上国支援といえるだろうか)

しかし、焼却炉建設等に関する国庫補助や自治体の起債額については統計がなく、一般廃棄物焼却炉の建設費用やダイオキシン対策費などについて全貌を把握するために、今年3月、グリーンピースはこの調査を(株)環境総合研究所に委託した。

2) 調査報告で明らかになったこと:

数値の得られた95年以降、日本ではごみ焼却炉建設のために、国と自治体から併せて毎年約6千億~ 8千億円もの税金が投入されてきたことが初めて明らかになった。

一般廃棄物焼却施設建設費のうち5~8割が、補助金・地方交付税などによって最終的には国から支出されていることがわかった。

焼却炉の能力の総容量は増加傾向が続いており、循環型社会を目指す基本政策に逆行する方向へ税金が投じられてきたし、今後もその傾向が見られる。

以上から、事実上、国が地方自治体によるごみ処理を、大量焼却へと誘導、支援し、強力に推進してきた実態が現れた。

97年度以降、排ガス処理施設の高度化(既存炉のダイオキシン対策等)に対する国庫補助件数がそれ 以前の約十倍と急増している。

ごみ処理施設建設事業費が、その全国的な全貌を誰も集計・把握しておらず、公表もされていないこと。

明日、5月22日から、ダイオキシンなどのPOPsを国際的に規制する条約の採択会議がストックホルムで行われる。この条約において、焼却は、ダイオキシン、フラン、PCB類、HCB(ヘキサクロロベンゼン)の非意図的に発生するPOPsの発生源の一つとして明確に位置付けられ、また、非意図的POPsに関して“全廃をめざして継続的に削減する”という目標が謳われている。世界でもっとも廃棄物焼却をしている日本が、この条約の批准国としての責務を果たすためには、焼却偏重を改めることが、第一義的に求められていることである。

3) グリーンピースは、以下の点などを求める要請書を同報告書と併せて本日環境大臣に提出した。

現在進行中、あるいは今後の計画における新たな焼却炉の建設への補助を凍結すること。

現在焼却に向けられている補助金や地方債償還といった支援措置を、廃棄物の発生回避や、再使用・再利用のシステム作りに振り向けられるようにし、循環型社会へと自治体を支援すること。

日本も早期批准をめざしている「POPsに関するストックホルム条約」への加盟を前に、環境省として、廃棄物焼却を止めるという目標を掲げ、それに向けての行動計画を策定すること。

今後、ごみ処理施設建設事業費が、その全国的な全貌を集計・把握し、市民がわかりやすい方法で公表すること

[質問]廃棄物の削減を謳いつつ、焼却能力の総容量を増加させる方向へと、市民の税金を投じてきた理由は何か。

[質問]焼却炉建設へ投じられる補助金の額は、現在の傾向が続けば今後も増加すると見られるが、現在、環境大臣は廃棄物処理の見通しをどう描いているか。

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