英国核燃料会社BNFL、新MOX工場にプルトニウム搬入核拡散・環境破壊・テロの恐怖を抱えて
RELEASE ENERGY 2001.12.21

英国核燃料会社BNFL、
新MOX工場にプルトニウム搬入

核拡散・環境破壊・テロの恐怖を抱えて

グリーンピースは、問題を抱えたセラフィールドMOX工場 (SMP) に12月20日、プルトニウムを搬入させた英国政府および英国核燃料会社 BNFL を強く非難する。今回の決定は、セラフィールド核施設群による環境汚染を増加させるだけでなく、核拡散、核テロリズムを含む安全保障面でのリクスを増大させる。

もし、BNFL社の期待通りに運営されるならば、フル稼働前のここ 12か月でも、2千から3千キロのプルトニウムが搬入されうる。それは、600もの核弾頭を作れる量だ。2、3 年後にフル稼働にいたれば、毎年 5千キロのプルトニウムが搬入される。しかし、グリーンピースは、BNFL社の期待通りの運営はできないと見ている。1999年、BNFL 社が 5年もの間、日本、ドイツ、スイス向けMOX燃料の品質管理データを捏造していたことが暴露された。今後も品質管理上の問題が発生し、プルトニウム燃料を使用すれば、核事故のリスクが高まるだろう。

BNFL 社が最初に製造するのは、北東スイス電力 (NOK) のベズナウ原発向けで、その後、ドイツ顧客向けと続く。MOX燃料は海上輸送、または空輸でスイス、ドイツへと運ばれる。日本の電力会社との契約は、日本国内の MOX燃料使用への反対などの要因もあり、実現していない。

「これは、環境と、地球規模の安全保障にとって大きな後退だ。BNFL社と英国政府は環境のことも安全保障のことも配慮していない。プルトニウム搬入のニュースは、プルトニウム産業、特に BNFL社に反対している世界中の国々に批判と、不信で迎えられるだろう。環境と人々の健康への脅威は増加した。この不経済で、ダーティで、危険なビジネスへの反対はますます大きくなるだろう。」とグリーンピース・インターナショナルのショーン・バーニーは述べた。

英国政府は、THORP再処理工場とともに、セラフィールドMOX工場の管轄を、新しい行政機関の債務管理機関 (Liabilities Management Authority、LMA) に移行させると2週間前に発表した。これは、それらの工場が不経済であると認めたようなものだ。英国のために外貨を稼ぐどころか、新MOX工場は、利益の見込みの低い、建設コストの回収さえ危うい施設として管理されるのだ(建設コストは約4億7千ポンド/約850億円)。BNFL社は、設備容量の11%の契約しか結んでおらず、期待通りに運営するには、まだまだ高いハードルがある。

「BNFL社の期待通りの稼働は不確実だ。確実なのは、BNFL社と英国政府が、自らの無責任な行動に対しての国際的な訴訟や、事故やスキャンダルに混乱させられ続けるだろうことだ。操業は短期間に終わるかもしれない。」とバーニーは述べた。

* アイルランドは、10月25日に、MOX工場の稼動を止めるために、国連海洋法条約に基づき、仲裁裁判所の設置を要請した。しかし、この設置には時間がかかるため、11月9日、国際海洋法裁判所に、MOX工場操業許可差し止めを求めて仮処分(暫定措置)申請した。仲裁裁判所は2002年2月にも設置される。
また、アイルランドは、2001年6月よりオスパール条約(北東大西洋の海洋環境保全に関する条約)のもとでMOX工場の情報提供に関しても英国と係争中。

詳しくはグリーンピース・ジャパン ブリーフィング・ペーパー「アイルランド政府による英プルトニウム新燃料工場稼動中止を求める裁判はこれから」(2001.12.14) http://www.greenpeace.or.jp/press/01/release/20011217brief.html 参照

* グリーンピースと地球の友は、2001年10月5日、この新MOX工場は、英国国民の税金が投入されている施設なので、経済的に成り立たなければならないが、経済的に成り立つほどの契約が取れる見込みがなく、英国政府による操業許可は違法である英高等法院に提訴した。2001年12月7日、英高等法院は、グリーンピースと地球の友の主張を一部認めて、将来、新しい原子力計画がすすめられるときには、事前に建設及び資本コストの経済正当性について考慮しなければならないとした。

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