グリーンピース 佐藤栄佐久 福島県知事の慎重姿勢にエール
RELEASE ENERGY 2003.06.19

グリーンピース 佐藤栄佐久 福島県知事の慎重姿勢にエール

グリーンピースは、本日、福島県知事宛てに、安全が確保されていないことと、首都圏の電力の供給に必ずしも必要でないという理由から、福島第一原発6号機の運転をするべきではないという趣旨の書簡(添付資料参照)を送った。

福島県内の全ての原発は東京電力の原子力発電所のヒビ割れ隠しなど一連の不正事件の影響ですべて止まっている。しかし、経済産業省原子力安全・保安院が、 福島第一原発6号機の「安全宣言」を出したことで、同機の運転を福島県が認めるか否かが焦点となっている。

福島県知事は、福島第一原発6号機の運転再開の判断を前に、7月3日には「県民 の意見を聴く会」を予定するなど、慎重を期す姿勢をとってきている。
グリーンピース・ジャパン核問題担当の鈴木かずえは「省エネや利用時間帯をずらす契約などで、酷暑といわれた昨年レベルの需要ピークを回避することは可能。『安全宣言』」のできる状態とは程遠い6号機を動かすべきではない」と強調し、 佐藤栄佐久知事に対して、危険な原発を再開しないという決断を期待している。

「電力会社も国のエネルギー政策も放射能汚染か、地球温暖化かという『リスク の選択」』しか提供していない。しかも、原発立地地域に対しては不必要なリスクを既に押しつけてきた。しかし必要なのは省エネと再生可能エネルギーによって『リスクの回避』をすることである。」と鈴木かずえは語っている。

詳しくはグリーンピース・ジャパン核問題Webサイトをご覧下さい。

お問合せ…
グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
核問題担当 鈴木かずえ
気候変動問題担当 関根彩子
広報担当 城川桂子
<資料>

佐藤栄佐久福島県知事宛書簡

福島県知事 佐藤栄佐久様

グリーンピース・ジャパン
事務局長 木村 雅史
気候変動問題担当 関根彩子
核問題担当 鈴木かずえ

福島第一原発6号機の運転再開の判断を前に、「県民の意見を聴く会」を開催されると伺いました。グリーンピース・ジャパンは、福島県の市民参画の試みを、「エネルギー政策検討会」を始め、応援させていただいております。「県民の意見を聴く会」開催を前に、以下にグリーンピース・ジャパンの意見を述べさせていただければ大変幸いです。

グリーンピースは、福島第一原発6号機の運転を再開するべきではないと考えています。

その理由は

1. 安全が確保されていない。
2. 電力の供給に、必要でない。
ためです。

安全が確保されていない理由:
経済産業省原子力安全・保安院が福島第1原発6号機について「安全宣言」したことなどから、すでに、原発立地地域の双葉地方エネルギー政策推進協議会と県議会は福島第一原発6号機の運転再開を容認したと伺っております。しかし、福島第一原発6号機は本当に「安全」でしょうか?
福島第一原発6号機には、部品にヒビ割れやその兆候があったことが発覚しています。それにもかかわらす、過去に対策を行ったことを理由に、ほとんどの配管で検査が行われていません。他の原子炉では、過去に全く異常がなかったとされていたのに、あらためて調べると続々とヒビ割れが見つかるという事態が起きています。対策の有効性を過去の記録に基づいて判断し、点検を省いてしまうのは危険なことではないでしょうか。またヒビ割れの詳しいメカニズムの解明もなされておらず、「安全宣言」自体の信頼性がありません。

しかも、東京電力の安全軽視の態度が改まったとはとても言えません。不正発覚後も、不正やトラブルが後をたちません。6月11日には、福島第一4号機の使用済み燃料貯蔵プールで4月末工事用ポンプのボルト等の紛失を確認しながら、6月6日まで県に報告しなかったことが明らかになっていますし、6月15日には、福島第二3号機で燃料棒装荷作業中に制御棒を挿入し忘れる事件がおこっています。

電力の供給に、必要でない理由:
東京電力は「需給逼迫回避のため、原発を再開させたい」としていますが、これ以上原発を再開させなくても、停電回避はできます。東京電力は原発を1基のみ稼動させた時点での総供給力は5,700万kWになるとしていますが、他電力からの融通や、自家発電余剰電力購入などでさらに370万kWが確保でき、かつ需給逼迫時には送電を止める契約である「調整契約」により約120万kW以上の需要が削減できると同社のウェブサイトで公表しています。この差引き合計した供給力を超えたのは、去年の実績で言えば、2日間であり、しかもピークの1時から4時の3時間以内です。省エネや利用時間をずらせるものはずらすことによりピークカットするだけで、原発は不要です。安全性の確認できない福島第一6号機の運転を再開しなくても、電力需要を満たすことができます。

今日、気候変動が顕在化しつつあるにもかかわらず、電力会社も国のエネルギー政策も放射能汚染か、地球温暖化かという「リスクの選択」しか提供していません。しかも、原発立地地域に対しては不必要なリスクを既に押しつけています。必要なのは省エネと再生可能エネルギーによって「リスクの回避」をすることなのです。

佐藤栄佐久知事の、環境と安全を第一に考えたご決断を心より期待申しあげております。

以上

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