グリーンピース、パプアニューギニアの原生林破壊に関わる日本市場の実態を発表 ~生物多様性条約第7回締約国会議で、各国政府に緊急対策を求める~
RELEASE 2004.02.18

グリーンピース、パプアニューギニアの原生林破壊に関わる日本市場の実態を発表
~生物多様性条約第7回締約国会議で、各国政府に緊急対策を求める~

国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンは、マレーシア系企業リンブナンヒジャウ社などによるパプアニューギニアで行われている違法伐採の実態 ( 注1 )と、それに関わっている日本市場の実態を明らかにしたレポート 「森林破壊の連鎖III パプアニューギニアの原生林破壊に関わる日本市場」 を、発表した。このレポートは、現在、マレーシアで開催されている生物多様性条約第7回締約国会議に参加する日本政府をはじめ各国政府に対し、多様な生態系を支える原生林保護のための緊急対策を要請するためのものである。

[写真]広島港に積み上げられたパプアニューギニアの原木(リンブナンヒジャウ社からのものを含む)
広島港に積み上げられたパプアニューギニアの原木(リンブナンヒジャウ社からのものを含む)
〜Greenpeace

同レポートは、マレーシアのティオン一族によって経営される伐採企業リンブナンヒジャウ社が、パプアニューギニアでの伐採事業の多くを支配し、数々の違法行為を行なっている実態と、パプアニューギニアから原木購入を行う日本の企業、日商岩井株式会社、丸紅株式会社、津田産業株式会社、日本製紙木材株式会社、マーカム株式会社、および合板製造企業などとの関わりを明らかにしている。

リンブナンヒジャウ社の事業実態は闇に包まれているが、少なくともパプアニューギニアで登記されている関連会社60社と深いつながりがあり、パプアニューギニアの伐採事業の50%以上、そして木材輸出の55%以上を占めていることを明らかにしている。リンブナンヒジャウ社の事業には、違法な道路建設、甚だしい環境破壊、度重なる人権侵害、移民法違反、脱税などの記録が数多くあり、住民の約8割以上が森林に依存するパプアニューギニアの人々の生活と環境破壊を引き起こしている。

[写真]
国内の合板工場の貯木場
〜Greenpeace

「多様な生態系を支えるパプアニューギニアの原生林は急速な勢いで伐採されており、産出された木材は安価に取り引きされ、合板となるために日本へと運ばれてきている。これはパプアニューギニアの資源の浪費であり、生物多様性を消失させていることにほかならない。これ以上の生物多様性の損失を防ぎ、原生林破壊を即時停止させるためには、市場に関わる日本をはじめとした各国政府による国際的な対応が緊急に求められている。」と、グリーンピース・ジャパン森林問題担当の尾崎由嘉は語っている。

グリーンピースは、同時に購入企業に対し、リンブナンヒジャウ社などの原生林破壊を行なう伐採企業からの購入停止、(厳格な保護規定が徹底されていない限り)原生林および保護価値の高い森林から産出される木製品の利用の排除、FSC認証 ( 注2 ) を得た林産品への切り替え、などを同レポートで求めている。

[写真]伐採地を見つめる子どもを抱いた女性
伐採地を見つめる子どもを抱いた女性
〜Greenpeace/Scheltema

グリーンピースは、今月5日にも、リンブナンヒジャウ社が世界各地で、いかに環境破壊を引き起こし、地元の住民の窮状や苦しみを無視した伐採事業を展開しているかを伝えたレポート(英語版) ( 注3 ) を発表した。すでにオーストラリアの森林大臣のイアン・マクドナルド氏とパプアニューギニアの前環境大臣のササ・ジーベ氏がこのレポートに対して公式に支持を表明している。

グリーンピースは、 現在マレーシアのクアラルンプールで開催されている生物多様性条約会議を重要視しており、地球上の生物多様性について話し合われるこの国際会議に向け、わずかに残された原生林に迫る危機と海洋資源の枯渇という二つの問題に取り組んでいる。生物多様性の保全、先住民族の権利および文化的多様性の確保には、各国政府が十分な資金を割り当てることが必要であると同時に、脆弱な環境域における大規模な産業活動を規制し、有効な管理体制と法的強制力のもとに保護地のネットワークを、2010年までに陸上と海の双方で確立することが必要であると各国に強く働きかけている。

[写真] 森林破壊の連鎖III
パプアニューギニアの原生林破壊に関わる日本市場
お申し込みページ

(注1) パプアニューギニア政府は最近、独立委員会を設置して、新たな伐採認可申請と既存の伐採事業の延長申請を調査するよう命じた。調査対象のうち3件はリンブナンヒジャウ社の関係している事業であった(ワオイ・グアビ地区、バイララブロック2と3、パッシスマヌア地区)。

調査は、これらの事業延長申請はいずれも法的要件を満たしていないことと、手続きに不備があったことから違法であると結論付けた。調査報告書は「合法的な手続きからの著しい逸脱と林業規約と認可に対する深刻な不自然さが認められたと結論するしかない」と報告している。調査報告はこれらの事業延長申請が違法であると認めただけではなく、バイララブロック2と3およびワオイ・グアビ地区における当初の認可そのものも違法であり、樹木を伐採する権利が土地の所有者から正当に得られたものではないことを明らかにした。

(注2)
FSCとは、Forest Stewardship Council(森林管理協議会)という、1993年に設立された非営利の国際的森林認証機関。本部はドイツ・ボンにあり、環境保全の観点に立って、適切な森林管理を支援する。

グリーンピースやWWF(世界自然保護基金)をはじめとする環境保護団体や、木材流通業者、先住民族団体、林業専門家など、異なるグループ代表者ら56カ国413機関(2000年9月現在)で成り立っている。国際的に合意された「FSCの原則と規準」に従って適切な管理がなされている森林を「認証」し、産出された木材・木材製品には、FSCのロゴマークが付けられる。

(注3)
グリーンピース調査レポート「The Untouchables: Rimbunan Hijau’s world of forest crime and political patronage」(英文) 2004年2月3日発表
http://www.greenpeace.org/international_en/reports/ex-summary?item_id=398660&language_id=en

グリーンピース・ジャパン森林問題サイト

お問い合わせ
◆グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817
森林問題担当  尾崎由嘉
広報担当     城川桂子

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