「戦争と核拡散ではなく、交渉と核軍縮こそが基本的なルールだ」~グリーンピース NPT会合開催前に締約国に申し入れ~
RELEASE 2004.04.21

「戦争と核拡散ではなく、交渉と核軍縮こそが基本的なルールだ」~グリーンピース NPT会合開催前に締約国に申し入れ~

【ニューヨーク】 グリーンピースは、4月26日から2週間開かれる核拡散防止条約(NPT)会合を前に、締約国186カ国に対し、核廃絶・効果的な核拡散防止策につながるような真摯にしてかつ効果的な交渉を行うよう求めている。米ニューヨークの国連本部において開催される今会合は、完全な失敗に終わるという可能性も含め、波乱が予想されている。

NPTは、国家に核兵器を放棄させるための法的拘束力を持つ唯一の条約であるが、グリーンピースは、NPTを基本的な欠陥がある条約と見ている。最近暴露された、欧州の進んだ濃縮技術がパキスタン、イラン、リビアに提供されていたという事実は、国際原子力機関(IAEA)を驚かせている。

米国は今会合で、日本など同盟国の民事用プルトニウム利用計画に対しての支持を続ける一方で、”憂慮される”国々へ核技術が移行されることには、強く反対していくことが予想される。

「米国は、特に核実験禁止条約の遵守をしなければならない国だ。自らの核兵器の近代化計画を放棄し、核廃絶に着手しなければならないはずだ。しかし、そんな視点は現在のブッシュ政権にはない。劇的な変化を起こさなければ、今会合の後、核廃絶および核拡散防止はますます遠ざかってしまうかもしれない。」とグリーンピース・インターナショナルの核問題担当トム・クレメンツは述べた。

NPT締約国への手紙の中で、グリーンピースは、以下の事項を憂慮しているとした。

2000年に開催されたNPT再検討会議において、「核廃絶および核拡散防止のための13ステップ」が合意された ( 注1 ) が、4年経過しても、なんら進歩がない。

包括的核実験禁止条約(CTBT)は、非常に危うい状態に陥っており、米国の核実験再開の可能性によって脅威にさらされている。

核廃絶の代わりに、核兵器の近代化が数カ国により予定されている。

この間、民事利用のための核技術・核物質は拡散し、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約のための交渉は、始まってさえもいない。

NPT締約国の過半数は核廃絶を望んでいる。しかし、同時に、核技術供与の原則を支持している。核兵器保有国、特に米国と英国はある特定の核拡散問題に固執し、NPT条文に違反する彼ら自身の核兵器の近代化計画から関心をそらそうとするだろう。

「NPT条約は、例外なく遵守されなければならない。50年以上前の核時代の幕開けのとき、核技術の推進と核兵器用核分裂性物質の生産は核兵器保有国を増やしてしまうだろうというのが共通の認識だった。今、核保有国は、核廃絶の代わりに核兵器の近代化にいそしんでいる。核兵器保有国は、NPTの失敗に大きな責任を負っている。また民事核の拡散を支持してきた国々も同罪だ。」とトム・クレメンツは続けた。

「日本は現在約40トンのプルトニウムを所有している。プルトニウムを原子力発電所の燃料として使う計画は地元住民や知事らの反対で頓挫しており、これは使い道のないプルトニウムとなっている。さらに六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場が稼働すれば毎年7-8トンのプルトニウムが生産されうる。余っているプルトニウムを増やそうとするのは国際的に説明がつかない。グリーンピースは、NPT会議で、日本のプルトニウムについても問題にしていく。」と、グリーンピース・ジャパン核問題担当の鈴木かずえは語っている。

注1
2000 Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons Final Document (PDFファイル:210KB)

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