水産庁殿、本当に“調査”ですか?― 通算20回目の“調査捕鯨”船団が下関港を出航
RELEASE 2006.11.15

水産庁殿、本当に“調査”ですか?
― 通算20回目の“調査捕鯨”船団が下関港を出航

【11月15日 東京】 本日午後2時、日新丸を母船とする5隻の捕鯨船団が、南極海に向け下関港を出航した。国際環境保護団体グリーンピースは、クジラ保護区に指定された南極海での “調査捕鯨”と呼ばれる捕鯨活動を直ちに中止するよう訴えている。

南極海に向け下関港を出航する捕鯨船団
(11月15日)〜 Greenpeace/Noda
本年6月に日本人1000人を対象に行われた世論調査では、70%以上が南極海での捕鯨に賛成しないとの結果が出ている(注1)。

捕鯨船団を所有する(財)日本鯨類研究所は、今回の“調査捕鯨”では最大935頭のミンククジラと10頭のナガスクジラを捕獲すると発表。捕鯨船団はこれから約4ヶ月かけて南極海で捕鯨を行い、捕獲したクジラを船上で販売用に冷凍・箱詰めし、来年4月に帰港する。ナガスクジラは国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧IB類に指定されている。

「南極海のクジラ保護区で行われる捕鯨が、持続可能な捕鯨のための“調査”であるとの説明にどれほどの人が納得できていないかは、70%以上が公海での捕鯨に賛成しないという世論調査の結果が証明している」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系キャンペーン部長の佐藤潤一は語る。「ごく少数の政治家や官僚達が時代遅れとなった産業から得られる既得権益を失わないために毎年多額の税金を使って行うのがこの“調査捕鯨”だ」と、続けた。

“調査捕鯨”は、1987年の商業捕鯨モラトリアム(一時中止)の受け入れと引き替えに、水産庁が行っている捕鯨活動に付けられた通称で、水産庁は鯨類捕獲調査と呼んでいる。水産庁は捕鯨再開に向けた調査を目的としているとするが、実際には鯨肉が市場に供給されている。調査用に南極海海上でこれまでに捕殺されたクジラの頭数は9951頭に上り、今回の捕獲予定数が加わると一万頭を超える。本年6月にカリブ海のセント・キッツで行われた第58回国際捕鯨委員会(IWC)で、日本の代表団は前回の調査は「完全に成功した」と語っている。

「前回の調査が完全に成功したのなら、なぜ再度行う必要があるのか?」と、グリーンピース・ジャパン事務局長星川淳は疑問を投げ、「日本政府は商業捕鯨の再開を声高に叫ぶが、日本国内でその南極で捕鯨ができる船団は1船団、1社のみの状態ではすでに現実的でない」と語る。

“調査捕鯨”から供給される鯨肉の日本での需要は過去20年間で著しく減少し、鯨肉の在庫量は増加している。最近商業捕鯨を再開したアイスランド政府が日本政府に対し鯨肉の輸出を提案した際に、アイスランドの日本大使は大量の鯨肉が売れずに余っていることを認めている。現在、水産庁と関係者による鯨肉の必死の販売促進が展開されている。

鯨肉
箱詰めされたクジラの肉
〜 Greenpeace/Noda Masaya
上記の世論調査ではまた、95%の回答者が鯨肉を一度も食べたことがないか、ほとんど食べていないと答えている(詳細は注1)。

注1:「捕鯨に関する生活者の意識調査」をご覧ください

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F
海洋生態系キャンペーン部長 佐藤潤一
広報担当          城川桂子

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