「遺伝子組み換え作物への世界の状況」発表-高まる世界的反発
RELEASE FOOD 2007.02.02

「遺伝子組み換え作物への世界の状況」発表
-高まる世界的反発

【アムステルダム】 国際環境保護団体グリーンピースは1月18日、農家、消費者、政府からの遺伝子組み換え作物に対する反対意見の強さを裏付けるものとして、『遺伝子組み換え作物への世界の状況:10年間の根強い反対』(The Global Status of Genetically Engineered (GE) Crops: 10 years of continuing rejection)[注1]と題した報告書を発表した。この報告書は、農薬業界の後援するシンクタンク、国際アグリバイオ事業団(以下:ISAAA)[注2]の年次報告書の公表予定時刻の数時間前に発表された。

「世界中の政府や農業関係者そして消費者が、遺伝子組み換えは信頼できず、将来性がなく、とても危険だと認識していることがこの報告書で明らかにされている」とグリーンピース・インターナショナルで遺伝子組み換えイネ問題を担当するジェレミー・テイガーは語った。

[写真] 〜 Greenpeace

遺伝子組み換えに対する拒否反応が著しく高まったのは、2006年のバイエル社の遺伝子組み換えコメ(LLRICE601)混入事件の直後。同年8月アメリカ政府は、大量の長粒米の中に、安全性未審査であるLLRICE601の混入を発見したと報告し、世界中のコメ生産者や加工業者そして政府に強い衝撃を与えた。

最近の遺伝子組み換えに反対する主な出来事は下記の通り。

ルーマニアでは2005年遺伝子組み換えダイズの作付面積が8,5000ヘクタールだったが、政府が遺伝子組み換えダイズを禁止する新しい政策を施行し、今年はゼロにする予定。
カルフォルニア州の稲作農家およびサンウェスト・フーズ社(アメリカの大手精米会社)は、同州における遺伝子組み換えイネの栽培(栽培試験を含む)の禁止を求めた。
世界最大のコメ加工業者エブロ・プレヴァ社をはじめコメ業界の大半が遺伝子組み換えコメは扱わないことを約束。
世界最大のコメ輸出国であるタイとベトナムのコメ販売業者は、遺伝子組み換えコメは扱わないという合意書に署名し、アメリカ産の米に安全性未審査であるLLRICE601が混入した事件によって開かれた新しいマーケットに向けて、遺伝子組み換えではないことをアピールした。
中国は、2年以上前から遺伝子組み換え品種を積極的に検討中であったにもかかわらず、同国のバイオセーフティー委員会は、再び遺伝子組み換えコメの安全性についてさらなるデータと評価を要求し、商業許可の判断を再度延期した。
インドの全国コメ輸出業者協会は、インド政府に対してバスマティ米を栽培している州における遺伝子組み換えイネの栽培試験を禁止するよう正式に求めた。インドのコメ生産者は、地域の稲作地帯が汚染される危険性があるとして、試験栽培されていた遺伝子組み換えイネを焼き払った。
インド最大の農業組合の一つであるバーラティヤ農民組合(Bharathiya Kisan Union:BKU)のスポークスマン、ラケッシュ・ティカイト氏は、遺伝子組み換えに対して「インドでは農家の生活が危険に脅かされているのは明白である」と述べ、「国内の遺伝子組み換え殺虫性コットンの失敗例を見ればわかるとおり[注3]、遺伝子組み換え技術は人間と環境をおびやかし、規制や管理ができない。われわれ自身を守り、遺伝子組み換えイネの栽培をやめさせるために試験栽培地を焼き払ったことを正当化してもいいくらい、遺伝子組み換えには大変危険性があると考えている」と語った。

カルフォルニアの稲作農家チップ・ストラックメイヤー氏は「アメリカのコメ生産者は、安全性未審査の遺伝子組み換えコメの混入が判明して経済的大打撃を受けた。消費者が遺伝子組み換えコメを欲しがっていないことは明らかである。それなのになぜわれわれが栽培する必要があるのか」と語る。

「ISAAAは遺伝子組み換えの作付面積は世界で増え続け成功していると主張しているが、2006年バイエル社の事件に対する世界の反応は、ISAAAの楽観的なイメージの対極にある」とジェレミ-・テイガーは語り、「遺伝子組み換え業界は、消費者に遺伝子組み換えコメやムギなど、遺伝子が組み換えられた食品を食べるように説得できない。これは明確な事実だ。遺伝子組み換え作物を、各国政府は認可したがらないし、農家は栽培したがらない。そして消費者は食べたがらない。遺伝子組み換え技術に未来がないことは十分明白だ」と締めくくった。

注1: The Global Status of Genetically Engineered (GE) Crops: 10 years of continuing rejection(PDF85 Kb,英文)
注2: ISAAAは、バイエル社、モンサント社やシンジェンタ社等の大手農薬/遺伝子組み換えのバイテク企業が支援する国際団体。http://www.isaaa.org
注3: GE Crops in India – The Story of BT Cotton

お問い合わせ:  特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
遺伝子組み換え問題担当 アキコ・フリッド(直通 03-5338-9809)
広報担当 村上京子(直通 03-5338-9886)
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F   電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817

グリーンピース・ジャパン遺伝子組み換え問題サイト

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