『マーケットレポート:コメ市場の危機』発表–遺伝子組み換えコメに対する世界市場からの拒否が明らかに
RELEASE FOOD 2007.02.06

『マーケットレポート:コメ市場の危機』発表–遺伝子組み換えコメに対する世界市場からの拒否が明らかに

コメ産業に関わる輸出業、加工業、販売業の世界大手41社 ( 注1 ) が遺伝子組み換えを扱わない方針を書面で明らかにし、遺伝子組み換えコメが世界的に受け入れられないことを示した。各社の書面は、本日2月6日、国際環境保護団体グリーンピースが発行した http://www.greenpeace.org/raw/content/international/press/reports/rice-industry-in-crisis.pdf” target=”_blank”>『マーケットレポート:コメ市場の危機』 の中で公表されたもの。

『マーケットレポート:コメ市場の危機』には、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、南北アメリカ諸地域のコメ取り扱い業者が出した遺伝子組み換え拒否の声明が引用され、世界最大のコメ加工業者エブロ・プレヴァ社によるアメリカ産コメ購入中止の声明も掲載されている。エブロ・プレヴァ社の声明は、2006年、多国籍製薬企業であり遺伝子組み換えコメを開発しているバイエル社が、アメリカで試験栽培した未認可の違法な遺伝子組み換えコメが流通に紛れ込み、コメ供給の国際市場が汚染された事件のあとに出されたもの。

「バイエル社は、ヨーロッパやブラジルを含む世界各国で遺伝子組み換えコメの商業的販売の認可 ( 注2 ) を強引に推し進めているが、アメリカやその他の地域で起こった安全性未審査の遺伝子組み換えコメの混入による経済的打撃の責任を回避している。すべての関連材料が同社の過失であることを示しているにもかかわらず、バイエル社は自らの不可抗力や農家の責任を主張している」と、アダム・レビット氏(バイエル社訴訟を担当する弁護士事務所のひとつであるWolf Haldenstein Adler Freeman & Herzシカゴ事務所の弁護士)は語る。

「遺伝子組み換えコメによる汚染事件と、国際市場からの拒否は、バイエル社が遺伝子組み換えコメの開発をただちに中止すべきであることを示している」と、グリーンピース・インターナショナル遺伝子組み換えイネ問題担当ジェレミー・テイガーは語り、「バイエル社は遺伝子組み換えコメが危険であることを自ら証明した。バイエル社の試験栽培だけで、コメの国際市場に重大な経済的打撃を与えている。遺伝子組み換えイネの商業栽培は実施されるべきでなく、それが行われれば世界の最も重要な主食であるコメに破壊的な影響を与える」と続けた。

同レポートには、バイエル社の遺伝子組み換えコメ混入発覚により、コメの先物相場が一日にして1億5千万ドルという記録的な下落を起こしたことなども取り上げられている。専門家の予測では、2006-2007年のアメリカ産コメの輸出は16%程減少するという ( 注3 )。また、バイエル社の無責任な対応と経済的責任回避に対して、数百万ドル級の集団訴訟がアメリカのコメ生産者によって起こされている ( 注4 ) 。

アメリカの集団訴訟に加え、ヨーロッパの貿易会社その他もバイエル社に対して個別の訴訟を検討中との事例報告がある。バイエル社の遺伝子組み換えコメ混入事件のせいで、コメ産業に関わる世界の多くの農家や精米業者、貿易・販売会社などが、商品検査や回収経費、注文の取消し、輸入規制、さらには市場の信頼喪失によって経済的大打撃を受けている。

グリーンピース・ジャパンで遺伝子組み換え問題を担当するアキコ・フリッドは、「先ごろ日本政府の税関検査で、安全性未審査の中国産遺伝子組み換えコメの混入が見つかった。管理不可能で環境を脅かす遺伝子組み換え作物の栽培は試験栽培も含め、すべて中止すべきであることについて、日本政府も認識を深めてほしい」と語った。

グリーンピースは、生態系の多様性を保全し、持続可能な農業と安全な食料供給のために世界中で活動を行なっている。環境破壊をもたらし、生物多様性への脅威となり、健康を脅かす危険性をはらんでいる遺伝子組み換え作物の栽培は即刻中止されなければならない。

注1
声明を発表したのは下記の国と地域の企業:日本、スイス、フランス、香港、ドイツ、オーストラリア、タイ、インド、ブラジル、スペイン、カナダ、英国。レポート中7-12ページ

注2
バイエルクロップサイエンス社がLL62認可の申請をしている国(LL62以外の場合は別記)

オーストラリア–食品と飼料、2006年申請
ブラジル–栽培、食品、飼料、種輸入、試験栽培の追加、2006年申請
カナダ–食品と飼料、2006年認可済み
欧州連合(25カ国)–食品と飼料、2004年申請
ニュージーランド–食品と飼料、2006年申請
フィリピン–食品と飼料、2006年申請
南アフリカ――食品と飼料、2006年申請
アメリカ合衆国――栽培、食品、飼料:LL601,62,06(2006,2002年認可済み)

注3
Elias P. 2006. California growers fear biotech rice threat.
Washington Post. 15 October, 2006.

注4
Weiss, R. 2006. Firm Blames Farmers, ‘Act of God’ for Rice Contamination. Washington Post. 22 November, 2006.
Leonard, C. 2006. 13 Lawsuits Over Accidental Spread of Genetically Altered Rice Could Be Combined Into 1. boston.com / Associated Press. 30, November,2006.

『マーケットレポート:コメ市場の危機』(英文 PDFファイル : 1.5MB)

お問い合わせ:  特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
遺伝子組み換え問題担当 アキコ・フリッド(直通 03-5338-9809)
広報担当 村上京子(直通 03-5338-9886)
東京都新宿区西新宿8-13-11NFビル2F   電話 03-5338-9800 FAX 03-5338-9817

グリーンピース・ジャパン遺伝子組み換え問題サイト

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