ICCATが取り締まれないマグロ漁業の実態報告発表―グリーンピース、ICCAT開会に合わせて
RELEASE OCEAN 2007.11.09

ICCATが取り締まれないマグロ漁業の実態報告発表
―グリーンピース、ICCAT開会に合わせて

ケージの中で泳ぐマグロ (c) Greenpeace/Gavin Newman
【トルコ、アンタリヤ】本日、トルコのアンタリヤで開会された「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」に対し、国際環境保護団体グリーンピースは、生存数に持続的回復が見られるまで北大西洋でのクロマグロ漁の禁止を求める声明を発表した(注1)。グリーンピースは、昨年のICCATで、東大西洋および地中海におけるクロマグロの生存量回復計画が決定されたにも関わらず、同海域では乱獲と違法漁業が横行し、クロマグロの生存数は枯渇の危機に瀕しているとしている(注2)。

声明では、現在のクロマグロの危機を救うには、クロマグロの個体数に持続可能な回復の兆候が見え、産卵海域を守るための海洋保護区が設立され、科学的な助言に基づいた適切な管理体制が採用・施行されるまで、北大西洋のクロマグロ漁を停止すべきとしている。さらに、ICCATは、管理海域で横行する違法・無報告・無規制のすべての漁業活動を規制し、海洋生態系を守り、予防原則に則った管理をすべきとしている。

グリーンピースがこの日発表した、「PIRATE BOOTY-How ICCAT is failing to curb IUU fishing(海賊たちの略奪品―ICCATが取り締まれないマグロ漁業の実態)」(注3)では、ICCATの管理海域、特に地中海で行われている違法なマグロ漁の実態を詳細な数字で報告している。このレポートはグリーンピースの船「虹の戦士号」などで2006年から行った調査活動を基に作成されたもので、同海域の違法漁業に関する管理が全くの失敗であることを明らかにしている。

レポートの主な内容:

日本と韓国の便宜置籍船問題(ICCATに登録していない他の国へ船籍を移し、ICCATの規則を免れる)
日本とイタリアのクロマグロ漁船による違法漁業の実態
上空からヘリコプターや飛行機を使ってクロマグロの群れを探す活動をICCATが禁止した直後に、イタリア漁船がそれを行った事実
リビア漁船による違法・無報告・無規制の漁業の実態
イタリアとチュニジア漁船による違法な流し網漁の実態
台湾漁船による大西洋からのメバチマグロ漁獲量の誤報告の実例
地中海沖合いにおける無規制の積み替え作業(船から別の船に荷物を移すこと)
「大西洋のクロマグロだけでなく、すべてのマグロ類が現在のICCATの管理化では近い将来激減の道を行ってしまうだろう。今回の会議で、締約国がこの厳しい現状を深刻に受け止め予防原則に基づいた管理を行えるかがこの海域のマグロ類の将来を左右する」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は語る。

グリーンピースは、マグロや他の魚種の乱獲により破壊された海洋環境の回復するには、地球の海の40%を海洋保護区とし、そのネットワークの構築が必要と訴えている。

注1
http://www.greenpeace.org/international/press/
reports/pirate-booty
注2:
クロマグロの規定漁獲量3万2000トンに対し、近年は毎年、約5万トンのクロマグロが漁獲されている。
注3:
第20回ICCATへの声明〔PDFファイル〕

お問い合わせ: 特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当 城川桂子
ICCAT会場
セバスチャン・ロサダ(Sebastian Losada) Greenpeace Spain
ヤシム・アスラン(Yesim Aslan) Greenpeace Mediterranean

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