今年の北西太平洋調査捕鯨は未だ出港できず―― 日新丸乗組員は自宅待機
RELEASE 2008.05.30

今年の北西太平洋調査捕鯨は未だ出港できず―― 日新丸乗組員は自宅待機

【東京】グリーンピースの昨日までに入手した情報によると、毎年5月末頃に北西太平洋へ出航している調査捕鯨船団の乗組員は、今年はまだ自宅待機の状態であることがわかった。これは日新丸乗組員による南極海調査捕鯨で行われていた鯨肉横領の告発(注1)から2週間後の情報であり、この鯨肉横領スキャンダルは現在、同検察庁の正式な捜査を受けている。

北西太平洋の調査捕鯨は例年であれば5月(注2)に出航する。その際、水産庁より財団法人日本鯨類研究所へ調査許可が発行され、日新丸等の捕鯨船の船会社・共同船舶株式会社はその許可に基づいて出航する。今年の出航の遅延理由として検察庁の捜査中であることとともに、6月8日のオーストラリア首相の訪日、そして7月に行われる洞爺湖サミットで日本の調査捕鯨が話題になるのを避けるためであろうと思われる。

「外交的な影響を考えて出港日を延期したりするような調査捕鯨にはそもそも隠したいことがたくさんあるのだろう、横領鯨肉についてもその一つのはず」とグリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は語り、「今回の横領鯨肉の全貌が解明されれば、この調査捕鯨に水産庁は二度と許可は出せない」また「オーストラリア首相の訪日を控えて、すでに具体的な解決策を考える時をむかえている、日本鯨類研究所と共同船舶の人材と知識を非致死的な鯨類の共同調査に移行させていくことが解決策だ」と訴えた。

また、福田首相は来週ヨーロッパ各国を訪問予定。その中、ローマで開催される国連食糧農業機関の会議に参加するとされている。「ほとんどの日本人が普段の食生活に必要としていない鯨肉のために、日本が海外から非難され、諸問題の外交上の足かせとなっている」と佐藤は指摘し、「洞爺湖サミットを前にして、地球温暖化問題の解決という国際社会が一丸となって取り組むべき大きな課題のために日本の捕鯨問題の外交的解決を優先すべきである」と結んだ。

注1:告発レポート「奪われた鯨肉と信頼」5月15日プレスリリースで発表

注2:近年の北西太平洋への出港日は以下のとおり。

2000年7月29日(土)日本・沖縄サミット7月21~23日
2001年5月11日(金)
2002年6月28日(金)カナダ・カナナスキスサミット6月26~27日
2003年5月13日(火)
2004年6月10日(木)アメリカ・シーアイランドサミット6月8日~10日
2005年5月13日(金)
2006年5月23日(火)
2007年5月11日(金)
2000年以降で出港が6月以降になったのは、2002年のG8サミットで捕鯨問題が外交問題になりそうだった年と、2000年と2004年の日本と米国でG8が開かれた年のみ。いずれもG8終了を待って出発している。

お問い合わせ:
特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当 村上京子

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