北欧からの鯨肉は政府許可なしに日本の保税倉庫に
RELEASE OCEAN 2008.06.04

北欧からの鯨肉は政府許可なしに日本の保税倉庫に

北欧からの鯨肉は政府許可なしに日本の保税倉庫に ―― 輸入業者がグリーンピースに証言
2008年6月4日

【東京】本日グリーンピースは、アイスランドとノルウェーから鯨肉を輸入しようとしている日本の商社を確認し、同社取締役の一人の証言からすでに鯨肉の一部が日本に到着していることを突き止めた。同取締役は、グリーンピースの電話での質問にたいし、この鯨肉への日本政府からの輸入許可がまだ下りていないとも語った。

国際捕鯨委員会が取り扱う大型の鯨類にあたっては、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)でその商業的な輸出入が禁止されている。しかし日本では、ミンククジラやナガスクジラなどの鯨肉の輸出入に関してワシントン条約の規制を留保している。そのため、相手国が輸出許可をだしている鯨肉であれば、日本で政府が許可を出すことにより鯨肉の商業的な輸出入が許可される。

昨日グリーンピースは、ノルウェー政府がワシントン条約に則って発給した鯨肉の輸出許可書2通を手に入れた(注1)。この2通の輸出許可書では、合計5.6トンのミンククジラの肉が東京都大田区に住所を置くアジア商事株式会社に輸出されることを許可している。本日グリーンピース・ジャパンのスタッフがアジア商事株式会社の住所を訪れると、そこには一戸建ての民家が建っていた。その民家に住むアジア商事株式会社の元取締役の話では、同社は数年前から休眠状態になっていたが、鯨肉輸入の件である人から名義を貸してほしいとの話を受け、最近、営業を再開したという。登記簿謄本ではアジア商事株式会社の取締役は全員2004年に退任しているが、2週間前の5月20日に3名が取締役に就任している。この取締役の一名が、同社の名義で鯨肉輸入を行おうと話しを持ちかけ、実際に鯨肉の輸入の実務を行なっているという。

この男性は、グリーンピース・ジャパンの電話調査に答え、すでに鯨肉の一部は日本の保税倉庫に到着しているとしたが、政府からの許可はまだ受けていないと語った。さらに鯨肉の販売先については「わからない。アイスランドの友人の手伝いをしているだけ」と話し、「政府同士で合意ができている話だから問題はないはず」と付け加えた。

「国際捕鯨委員会の総会が2週間後に始まるこの時期に、日本が鯨肉の輸入を開始することになればそれは国際的には挑発行為だとみなされる。日本が捕鯨問題の外交的解決を目指し、本当に話し合いを進展させるつもりであれば、輸入許可を出すことは大きなマイナスだ」とグリーンピース・ジャパンの海洋生態系問題担当部長の佐藤潤一は語り、(注2)や、今回の名義貸しによる鯨肉の輸入など捕鯨に関して不可解なことが多すぎる。水産庁は厳重に対処すべきだ」と続けた。

注1: ノルウェー政府が発行した輸出許可書(PDFファイル1.5MB)

注2:告発レポート「奪われた鯨肉と信頼『調査捕鯨母船日新丸』での鯨肉横領行為の全貌」(PDFファイル2.3MB) ※印刷する場合は白黒をお勧めします

お問い合わせ:
特定非営利活動法人 グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当部長 佐藤潤一
広報担当 城川桂子

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