ダーティなエネルギーから、クリーンで持続可能なエネルギーへ –日本版『エネルギー[r]eボリューション』本日発行
RELEASE ENERGY 2008.06.06

ダーティなエネルギーから、クリーンで持続可能なエネルギーへ –日本版『エネルギー[r]eボリューション』本日発行

国際環境NGOグリーンピースは、G8エネルギー大臣会合の開幕を明日にひかえた本日、2050年までに日本は電力の60%以上を自然エネルギーでまかなえることを示す報告書『エネルギー[r]eボリューション――日本の持続可能なエネルギーアウトルック』を発表した(注1)。

同報告書は、エネルギー利用効率の向上と自然エネルギーの大幅な導入により、気候変動の影響を最低限に抑えながら、なおかつエネルギーの安定供給も可能であることを示している。このシナリオを実現していけば、日本は費用対効果が高く、化石燃料の市場価格の変動や原子力発電によるリスクに影響を受けないエネルギー需給システムを構築できるだろう。

『エネルギー[r]eボリューション』(世界版)(注2)はグリーンピースが昨年、欧州再生エネルギー評議会(EREC)と共同で作成・発表したエネルギー・シナリオである。同シナリオは危険な地球温暖化を回避するため、世界の平均気温の上昇幅を2度C未満に抑えるよう、2050年までに一人当たりの二酸化炭素排出量をおよそ年1トン以下に減らし、世界の総排出量を1990年比で50%削減、先進国で80%削減することを目標としている。世界シナリオのあと、各地域別のシナリオを発表し、本日、日本シナリオを発表した。同シナリオの作成にあたっては、環境エネルギー政策研究所(ISEP)から協力を得た。その結果、二酸化炭素の国内総排出量は2020年までに26%、2050年までに最大77%削減できることが示された。

『エネルギー[r]eボリューション』の日本シナリオは、世界のCO2削減目標の達成に貢献するだけでなく、エネルギー利用効率を高め、エネルギー供給に占める自然エネルギーの割合を増やすことで、エネルギー消費の増大による社会の経済負担をも軽減できる。長期的には電力にかかるコストを、レファレンスシナリオ(『世界エネルギーアウトルック2007』国際エネルギー機関)の予測より、38%下げることができる」と、シナリオの主著者であるグリーンピース・インターナショナルのスベン・テスケは語る。

またグリーンピースは、国際エネルギー機関(IEA)が本日発表する報告書(注3)で、2050年までに世界のエネルギーの半分を自然エネルギーで供給できるとしていることを歓迎する。しかし二酸化炭素の排出削減目標を達成するには、原子力発電による発電量を現在の4倍に増やし、炭素回収・貯留(CCS)の導入が不可欠とするIEAのシナリオは、これらの技術が膨大な費用を必要とし、大きな危険性を伴うものであることから、持続可能な社会には不適当であるとしている。

「『エネルギー[r]eボリューション』の予測とIEAの予測は、自然エネルギーの潜在力が大きい点では一致している。だが原子力とCCSがなくとも、地球温暖化対策は可能であることは、『エネルギー[r]eボリューション』が示すとおりだ。効果のある温暖化対策に費やされるべき資金と時間を、これらの技術に費やすのは無駄でしかない」とスベンは語る。

日本シナリオでは日本政府にたいし、危険な気候変動を回避するため化石燃料と原子力に対する補助金を段階的に廃止し、自然エネルギー拡大に向けた法的拘束力のある目標設定とそれを達成するための実効力のある新制度の法制化を求めている。

「地球温暖化の進行をとめるには、エネルギー政策の見直しが最重要課題のひとつ」とグリーンピース・ジャパンの鈴木真奈美は語り、「G8エネルギー大臣会合では、ダーティなエネルギーから、クリーンで持続可能なエネルギーへと移行していくための政策を討議するために、もっと多くの時間を費やしてほしい」と求めた。

グリーンピース・ジャパンは、本日午後6時半から青森市の会場で、日本の自然エネルギーや環境問題に取り組むNGO・NPOとともにシンポジウム「地球温暖化はこうすれば避けられる」を開催する。シンポジウムには『エネルギー[r]eボリューション』日本シナリオの共著者のスベン・テスケが日本シナリオを発表うする。このシンポジウムで使用する電力の1,000kWhは、自然エネルギーでまかなわれ、CO2削減量としては約418kgに相当する(注4)。

注1:日本語要約版ダウンロード (PDFファイル 1.41MB)

注2:気候変動を避けるために現在のエネルギー政策の大変革(revolution)とエネルギーの使い方の飛躍的な進化(evolution)が同時に必要であることから、グリーンピースはその両方をとってエネルギー[r]eボリューションとし、世界に持続可能なエネルギー政策を呼びかけている。『エネルギー[r]eボリューション』

注3 :IEAが本日発表する「Energy Technology Perspectives 2008(ETP2008)」

注4 :グリーン電力証書 (JPEGファイル 29KB)

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
気候変動/エネルギー問題担当 鈴木真奈美
広報担当 城川桂子

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