オーストリア、モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシ-食品・飼料への使用禁止を決定
RELEASE 2008.08.04

オーストリア、モンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシ-食品・飼料への使用禁止を決定

オーストリア政府は7月24日、米国の大手農業化学企業モンサント社が開発した殺虫性遺伝子組み換えトウモロコシ(MON863)は、同社が提出した研究データでは食品の安全性を確認するのに不十分として輸入と国内での加工禁止を発表した(注1)。日本では、MON863単一の品種以外に、MON863の掛け合わせ品種を含む4種が食品・飼料への使用を認められ国内に流通している。これを受けて、日本のトウモロコシ輸入量に占めるMON863の割合の情報開示を求めるため、グリーンピース・ジャパンは8月1日、農林水産省に行政文書開示請求書を提出した。

グリーンピースはこれまでMON863の安全性データに不備が多く見られることを理由に、世界市場から撤収することを各国政府に要請し、日本でも市場での流通禁止を訴えている。人工的に操作された遺伝子組み換え作物の栽培は、これまで自然界に存在しなかった生物を、監視システムや責任の所在が明確でないまま野外で野放しにしてしまう。遺伝子組み換え作物による汚染は自然生態系のバランスを崩し、予測不可能な脅威を環境と食に与えている。

「オーストリアを含め、欧州連合(EU)内でMON863の栽培が許されている国は一つもない。日本では遺伝子組み換え作物の商業栽培は認可されているが、消費者の強い反対により国内での商業栽培は一切行われていない。さらに、一部の地域では栽培禁止条例を制定し、遺伝子組み換え作物を排除してきた。80%(注2)ちかくの国民が不安を持つ遺伝子組み換え作物の食品への使用は、予防原則にもとづいて禁止すべきだ」と、グリーンピース・ジャパン遺伝子組み換え問題担当の棚橋さちよは強調する。

モンサント社が開発したMON863はフランス・カン大学など専門家チームの研究により2007年3月、ラットを使った実験で肝臓と腎臓への毒性作用をもつ可能性があることが確認された。この研究は、モンサント社がEUでの販売許可の申請用に欧州委員会に提出したMON863の安全性調査報告書を専門家らがあらためて審査したもので、モンサント社が作成した同報告書は、グリーンピースが起こした訴訟(注3)によって公開された。

「MON863のほか、EU6カ国で禁止規制のある遺伝子組み換えトウモロコシ(MON810)も日本では認可され、流通している。子どもが食べるチョコレート菓子から大人が飲むビールまで、遺伝子組み換え原料が使われていても、商品への表示義務が非常にゆるく設定されていている日本では、どの遺伝子組み換え作物が食品として使用されているか消費者はわかりづらい。安全性に不安が残る遺伝子組み換え原料の使用は、消費者に正しく伝えるために表示してほしい」と、棚橋さちよは遺伝子組み換え食品表示の法改正の必要性を訴えた。

日本で実施されている遺伝子組み換え食品表示制度は、消費者に正確な情報を提供するものではなく、本来食品表示によって守られるべき消費者の知る権利・選ぶ権利が奪われている。グリーンピースでは、「遺伝子組み換え食品表示の法改正を求める100万人署名」を100以上の賛同団体とともに進め、政府に食品表示の法改正を求めている。

注1:オーストリア政府の公式見解(PDFファイル 256KB)(英語はP6から記載)
注2:農林水産省の調査結果2005年8月調べ
注3:詳しくは2007年3月13日のプレスリリースをご覧ください

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
遺伝子組み換え問題担当:棚橋さちよ
広報担当:成沢かおる

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