海から魚が消える? 私たちが今できること――海洋環境シンポで国内外の学者・漁業者・小売業者が意見交換
RELEASE OCEAN 2008.10.17

海から魚が消える? 私たちが今できること――海洋環境シンポで国内外の学者・漁業者・小売業者が意見交換

「海から魚がいなくなる? 私たちが今できること」と題した国際海洋環境シンポジウムが本日、国連大学ウ・タント国際会議場で開かれ、日本や世界の海洋学者・漁業関係者から、日本近海の海洋環境の危機的な現状、世界の海洋保護区の実例、持続可能な漁業や販売の課題と展望などが報告された。主催は国際環境NGOグリーンピース・ジャパン。

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基調講演の一人、ダニエル・ポーリー氏
シンポジウムでは、長年にわたり熱帯・東南アジアの漁業を研究しているダニエル・ポーリー氏(ブリティッシュ・コロンビア大学漁業センター所長)や、元水産庁漁場資源課課長の小松正之氏(政策研究大学院教授)など、日本や海外の海洋保全学や海洋政策論などの学者4人が講演し、海洋環境・海洋政策などの実情を報告。会場を埋め尽くした200人以上の参加者に海洋保護区の設立と持続可能な漁業の重要性を訴えた。

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基調講演を行った小松正之氏。パネルディスカッションにて
「世界の海は漁業によって大きくその姿を変えられてしまった。海の状態を持続可能なレベルに戻すには、海洋保護区の設立が不可欠」とダニエル・ポーリー氏は指摘した。

小松氏は「日本の水産業の未来」と題して講演し、衰退の続く日本の水産業、海洋生態系の変化についていけない日本の漁業の実態を解説、「魚食をまもる水産業の戦略的な抜本改革」の必要を訴えた。

日本の漁業事業者や小売業者からも事例報告が行われ、イオントップバリュ株式会社トップバリュ商品本部生鮮食品部部長の山本泰幸氏は、イオングループが展開する「持続可能」と「食品安全」をテーマにした自社ブランドの取り組みを例にとり、企業の担う責任に言及した。

「私の会った日本各地の漁師の方や魚市場の仲買人の方は、代々続く海の仕事をいい状態で次世代に引き継いでいきたいと願っている。将来の世代に魚をのこすため、環境保護NGOとして、こうした方々を支援する活動を展開していきたい」と、グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当の花岡和佳男はグリーンピースの今後の活動への抱負を語った。

グリーンピース・ジャパン事務局長、星川淳は「海洋環境の保護が急務であることは本日の参加者の熱気からも証明された。海洋保護区の設置と持続可能な漁業の推進を、日本の漁業関係者とともに進めていけると確信した」と、盛況に終わったシンポジウムを締めくくった。
お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当 花岡和佳男
広報担当 村上京子

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