ブッシュ政権からの居残り、捕鯨外交の新方針を歪める――オバマ大統領に新政権の主導権確立と残留役職者の一掃を求める
RELEASE 2009.01.31

ブッシュ政権からの居残り、捕鯨外交の新方針を歪める――オバマ大統領に新政権の主導権確立と残留役職者の一掃を求める

【米ワシントン発】 ハワイからの報道(注1)によると、国際捕鯨委員会(IWC)米国コミッショナーのダグ・デマスター博士と、同じく米国を代表してIWCの議長を務めるウィリアム・ホガース博士が先週末、日本の沿岸捕鯨の捕獲数増加を容認することを条件に、南極海のクジラ保護区内で行う調査捕鯨の捕獲数(注2)削減を求める妥協案を日本側に提示したと伝えられる。このような取り引きはクジラの保護にとって有益なものではなく、むしろいっそう多くの個体群を絶滅の危機にさらす可能性がある(注3)。

昨年11月、グリーンピースUSAは大統領選挙投票日を直前にひかえたオバマ氏に捕鯨問題に関する質問を向けた。「大統領になった場合、日本に捕鯨をやめるよう説得するためどんな具体策をとりますか?」これに対しオバマ氏はこう答えた。「商業捕鯨の一時停止(モラトリアム)を強化することも含め、米国が国際的な野生生物保護の取り決めにおいてリーダーシップを発揮するよう努めます。日本の商業捕鯨を容認し続けることは許されません」(注4)。

オバマ新大統領就任後わずか数日にして、ブッシュ政権から居残る役人たちが、新大統領の捕鯨に関する外交政策を歪めようとしている。グリーンピースはオバマ大統領に対し、ただちにIWCコミッショナーを高いレベルの国際交渉経験者に変えて、オバマ政権の方針と米国民の声をこうした交渉に反映させるよう求める。

注1:ワシントンポスト
注2:日本政府は現在、科学調査と称して南極海で毎年、ミンククジラ935頭とナガスクジラ50頭の捕獲を計画している。IWCの科学委員会によるこのプロジェクトの評価では、調査目的が何ひとつ達成されていないと総括している。IWCは日本の調査捕鯨からのデータは必要ないとし、その見直しを繰り返し求めている。
注3:日本が沿岸捕鯨を行う海域には、Jストックと呼ばれ絶滅が危惧されるミンククジラの系群が生息する。沿岸捕鯨の規模拡大は、この系群にとって脅威となる可能性がある。
注4:オバマ大統領候補からの返答

お問い合わせ:
特定非営利活動法人グリーンピース・ジャパン
海洋生態系問題担当 花岡和佳男

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