日本の中期目標、温暖化をさらに危険な領域に
RELEASE ENERGY 2009.06.10

日本の中期目標、温暖化をさらに危険な領域に

【ドイツ・ボン】本日、麻生首相より発表された日本の温室効果ガス削減2020年中期目標は、1990年比ではわずか8%にすぎない。これは危険な温暖化を抑止するために必要な削減量をはるかに下回り、1997年に日本が京都議定書で合意した6%削減より2%深掘りしているだけだと、グリーンピースは厳しく批判した。

現在ボンで開催中の気候変動会合でテーブルに提出されている先進国の2020年削減目標値は、合計でわずか5~12%の削減にしかならない。これは壊滅的な温暖化を防ぐために必要な40%という削減目標にはほど遠く、地球の平均気温を工業化前に比べて3℃以上の上昇へと導くだろう。

「日本政府は、今世紀末にはブナ林の半分を失い、食糧不足が進み、超大型台風が複数上陸してもかまわないと考えているらしいが、その結果、毎年7.6兆円もの資産を喪失することも受け入れるのだろうか」と、ボンの気候変動会議に参加しているグリーンピース・インターナショナルの鮎川ゆりかは疑問を呈し、「3℃以上の気温上昇は日本にそれだけ大きな影響をもたらすのだ」と釘を刺した。

最近の全国世論調査によると、日本人の63%は少なくとも1990年比25%の削減をすべきだと考えている。グリーンピースは『エネルギー[r]eボリューション・日本シナリオ』[注1]で、2020年までに25%削減が可能であることを示している。

「日本政府は厳しい削減目標を掲げることで日本の経済・産業構造を低炭素型にシフトし、より効率的で先進的な技術開発を進めながら、新しいビジネスや雇用を創出するチャンスを完全に逸した」と、鮎川は指摘する。

本日発表された日本の中期目標は、7月に開かれるG8サミットの結果にも影を落とす。麻生首相は、世界のもっとも豊かな国々のリーダーたちと気候変動対策を話し合う予定だからだ。

「ボン会合の第1週目に、日本は京都議定書が潰れてもいいという意味の発言を行った」と、グリーンピース・インターナショナルのマーティン・カイザーは語り、「たった8%の削減目標では、京都議定書を殺すだけでなく、G8からの強いメッセージやコペンハーゲンで効果的な合意を得ることへの希望をも殺してしまう、即効力のある毒物に等しい」と強調した。

日本は他の先進国とともに、科学の求める大幅削減を実行し、途上国が削減活動を行うための資金と先進技術を提供することで、世界を低炭素経済へ導くリーダーシップを発揮すべきである。

お問い合わせ
グリーンピース・ジャパン広報部 03-5338-9800

[注1] 『エネルギー[r]eボリューション――日本の持続可能なエネルギーアウトルック』
原子力発電を段階的に廃止し、化石燃料の使用も最小限に抑えつつ、自然エネルギーの大幅導入と、エネルギー利用効率の飛躍的向上によって、他の先進諸国と並んで2050年までに温室効果ガスを80%削減できることを具体的に示す。

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