「G8、気候対策のリーダーシップを」イタリア4ヵ所の発電所からメッセージ
RELEASE ENERGY 2009.07.08

「G8、気候対策のリーダーシップを」イタリア4ヵ所の発電所からメッセージ

世界18ヵ国から集まったグリーンピースの活動家100名は、イタリア国内4ヵ所の石炭火力発電所に立ち入り、G8に参加する各国のリーダーに向けて、気候変動対策の行き詰まりを打開する政策を求めメッセージを掲げました。

活動家が煙突に登る発電所の一つ、マルゲーラのフジーナ発電所(ベニス近郊)は1,100メガワットを供給し、火力発電所としてはイタリアで2番目の規模ですが、年間480万トン以上のCO2排出量は、パラグアイやグルジアなどの一国が排出するCO2を上回っています。

イタリア最大のフェデリコ火力発電所に「G8 ACT〈G8行動せよ〉」のメッセージを掲げるグリーンピース活動家(ブリンディジ、イタリア) 〜 Greenpeace/Jir Rezac ヴァード・リーグレ(イタリア)の火力発電所、11人の活動家が2本の煙突に登り「TIME TO ACT ON CLIMATE〈気候対策に行動を起こす時〉」のメッセージを書く。 〜 Greenpeace/Andrea Guermani
グリーンピースは、気候変動をストップするにはこれ以上時間を無駄にできないとして、膨大なCO2を排出する石炭火力発電の見直し、また発展途上国の温暖化対策を可能にする経済援助の実現、そして森林破壊を阻止する具体的な枠組みの構築にむけて今すぐ行動を起こすよう求めています。

「GREEN JOBS」のバナーを広げるグリーンピース活動家。マルゲーラのフジーナ発電所(ベネチア近郊)は1,100メガワットを供給するイタリアで2番目の規模。年間480万トン以上のCO2を排出する。〜Markel
Redondo/Greenpeace
「GREEN JOBS」のバナーを広げるグリーンピース活動家。マルゲーラのフジーナ発電所(ベネチア近郊)は1,100メガワットを供給するイタリアで2番目の規模。年間480万トン以上のCO2を排出する。〜Markel Redondo/Greenpeace
《現地の野田沙京より》

ズーム
私は今、G8の開催されているイタリアのマルゲーラにある石炭火力発電所の煙突の上に座り込みをしています。

グリーンピースはG8開幕と共にイタリア各地の石炭火力発電所での直接抗議行動を始めました。私たちはG8のリーダーたちに対して、危険な気候変動を防ぐためにリーダーシップを発揮することと発展途上国への経済支援を求めていますが、地上から聞こえてくるニュースではまだなにも確定されていないようなので座り込みは続けます。

ここ寒風の吹きすさぶ地上100メートルの煙突からは、海側には美しいベニスの町が、陸側には煙と騒音の工業地帯が見渡せます。発電所に続く水路には石炭輸送船が停泊していますが他のグリーンピース活動家がベルトコンベアーに登り抗議行動をしているので、石炭は荷卸しされておらず、新たな温室効果ガスの排出を防いでいます。気候変動が続けばこのベニスの街も水没するといわれています。手遅れになる前に、各国首脳は温室効果ガスの排出規制について、12月のコペンハーゲンの気候サミットに向けた確実な下地を作っていくべきです。私たちはG8リーダーたちの責任ある行動に期待しています。

《活動を終えて 野田沙京》

残念ながらG8サミットは気候変動問題に効果的な対策を打ち出せないまま閉幕しました。しかし、サミット会場でも私たちの大規模な直接行動が話題になっていたと聞き、温暖化を危惧する世界の人々の声が各国首脳にも届いたはずです。気候変動の抑止のため、温室効果ガスを2020年までに40%(1990年比)削減する目標に、12月のコペンハーゲン気候サミットで各国が同意できるよう促していくこれからが正念場です。

ズーム
地球規模の緊急問題である気候変動問題に効果的な対策を打ち出せなかったG8に抗議のメッセージ “STUPID(愚か者)” ブリンディジ、イタリア 2009/07/10
煙突の上に居座っている間に受けた取材が日本でも報道され、G8各国の温暖化対策の問題点を明らかにすることができたのは、この直接行動の意図することのひとつでした。また取材の中で何回か逮捕される可能性について聞かれたので、ここで簡単に報告します。

煙突から降りていった時、地上には10数人の警察関係者が待っていましたが、私たちの誰も逮捕されることなく、ただ敷地外へと誘導されていきました。その間、発電所の労働者からは記念写真を一緒に撮られたり、冷たい水をさしだしてくれた人もいました。

この対応も、2007年に同じような直接抗議行動から起訴され裁判になり、昨年画期的な無罪判決が言い渡されたグリーンピース活動家たち”キングスノース6”(英国キングスノース火力発電所での活動、下記記録ビデオ参照ください)の影響もあるかとおもいます。この裁判では、活動家が煙突に登ることより、気候変動の危険の方がはるかに重大と判断され活動家が無罪になるだけでなく、英国の政策に大きな影響を与えました。

労働者の人たちの反応は全くの意外でしたが、私たちは発電所で働く人たちに抗議しているわけではありませんし、またG8の開幕と同時に発表した雇用に関しての調査報告では、石炭火力や原子力発電所を段階的に閉鎖し、自然エネルギーに移行していけば、新たに100万人の雇用をつくりだせることも公表しているので、それを好意的に受け取ってくれた人もいたのかもしれません。

受けた取材の中で私は次のように聞かれました。「煙突上に居座るのは危険ではないか?」「不法侵入にあたり拘束されるのではないか?」

私の答えはこうです。「確かにそのようなリスクはありますが、気候変動を止めるために何の行動もおこさずにいるほうがよほど危険だと思います」

この危機感がグリーンピースや世界中のアクティビストに直接行動をとらせる一つの強い動機であり、その行動力が多くの環境問題を解決に導いてきたのだと思います。

詳しくはグリーンピース・インターナショナルのウェブサイトをご覧ください(英文) http://www.greenpeace.org/g8

英国キングスノース火力発電所での活動(2007年実行)の記録ビデオ「A Time Comes」グリーンピース活動家、無罪判決を獲得!(近日、日本語字幕版発表予定)

お問い合わせ: グリーンピース・ジャパン 広報 村上 tel. 03-5338-9800

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