閉会を待たずしてIWCは事実上の決裂、日本政府の歩み寄り足らず
RELEASE OCEAN 2010.06.23

閉会を待たずしてIWCは事実上の決裂、日本政府の歩み寄り足らず

モロッコのアガディールで開催されている第62回国際捕鯨委員会(IWC)年次総会では、閉幕まで2日を残した時点で、本会議での合意を諦め、来年以後に先送りする方向が支配的。先送りが決定されれば、グリーンピースはこの決定を遺憾とし、今後も各国政府に対して鯨類だけではなく海洋生態系の保護を求め、貴重な海の生物多様性を次世代に引き継ぐための働きかけを続けていきます。

今年のIWCは開幕2時間後に年次総会が休止となり、一日半にわたる非公開の会議が行れるなど異常な状態が続いていましたが、日本政府をはじめとする捕鯨推進国からの十分な妥協が見られず、会議は閉幕を待たずして事実上の決裂となりました。

3年の年月をかけて作成された議長案をもとに双方が歩み寄りを見せた今回のIWC年次総会は、長いあいだ何も決められない国際会議だったIWCにとって、かつてない大きな機会でした。しかし山田正彦農林水産大臣や、IWCに出席している舟山康江農林水産政務官が、開幕初日から早々と南極海の捕獲枠をゼロにする選択肢がないことを公言して歩み寄りの余地を認めなかったため、各国間の交渉は困難を極め、異例の非公開会議も成果がないままに終わりました。

また年次総会開幕直前には、会議の鍵を握るリバプール副議長の旅費を日本の捕鯨関係者が支払っていたというスキャンダルや、さらにアフリカ、カリブ、太平洋島嶼国に対する日本政府の票買い工作が浮上するなど、今回のIWCはこれまで以上に日本の捕鯨をめぐる不正疑惑が注目されました。

グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一は、「3月のワシントン条約会議といい今回のIWC総会といい、政府の決断は日本の国際的信頼度を落とすものばかり。国際連合が定める国際生物多様性年である今年、生物多様性(CBD)締約国会議をホストする国の政府としての自覚が感じられない」とし、「IWCも日本政府も鯨類保護への大きなチャンスを逃した。今回明らかになった票買いなどの不正についても、IWCが徹底的に調査をすべき」と強く批判しました。

お問い合わせ:国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

広報担当:安達沙織

現地アガディール
プログラムディレクター:佐藤潤一
広報担当:成澤薫

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