メバチマグロ、中西部太平洋で激減 ――中西部太平洋マグロ類委員会の科学委員会が資源評価を発表
RELEASE OCEAN 2010.08.20

メバチマグロ、中西部太平洋で激減 ――中西部太平洋マグロ類委員会の科学委員会が資源評価を発表

南太平洋のトンガにおいて19日に閉幕したWCPFC(中西部太平洋マグロ類委員会)の科学委員会で、中西部大西洋のメバチマグロが激減していることが報告された。これを受けてグリーンピースは、国内の大手スーパーや飲食店チェーンに対し、持続可能な魚介類の調達方針を作成するよう取り組みを求めた。

資源評価の報告によると、中西部太平洋におけるメバチマグロの現在の親魚資源量は、初期資源の17%にまで減少(注1)。今年3月にワシントン条約で禁輸措置が議論された大西洋クロマグロは親魚資源量が初期資源の15%とされており、比較するとメバチマグロの資源状態の深刻度がうかがえる。さらにマグロ・カツオ類の中でもっとも資源状態が良いとされ、鰹節の原料のカツオにおいても、今回はじめて資源量の減少が報告された(注2)。これらの魚種は海洋で主にFAD (人工集魚装置)によって集められ、巻き網で一網打尽に漁獲されて、WCPFCによる管理の甘さが過剰漁業を許している。

グリーンピース・ジャパン海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、「このままではふだん私たちが当たり前のように口にする魚介類が、知らない間に次々と食卓から姿を消してしまう」と指摘。国内の大手スーパーや飲食店チェーンに対して、「シーフードビジネスの持続可能性を追求するためにも、未来の子どもたちの食卓に海の恵みを残すためにも、過剰に獲られた魚介類の販売を控え、商品の環境負荷に関する情報を消費者に公開して、持続可能性を確保した商品の提供に努めてほしい」と求めた。

また消費者には、持続可能なレベルを超えて獲られている魚介類の中で私たちに身近な種をリストアップした「未来の子どもたちに残したいお魚リスト」(注3)を公表し、大手スーパーや飲食店で魚介類を購入する際に選考基準の一つとして活用することを薦めている。

地域の一本釣り漁師や築地の仲卸などと話し合いを続け、持続可能な漁業と魚食の実現に向けて取り組んでいるグリーンピースは、今年の10月に名古屋で開催されるCBD-COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)を、マグロ類の保護と漁業の持続可能性の確保に向けた大きな機会とするよう加盟国政府に訴えかけている。その上で、違法漁業や過剰漁業の温床として知られる太平洋島嶼国に囲まれた4つの公海ポケットのほか、日本海にある太平洋クロマグロの産卵海域や地中海にある大西洋クロマグロの産卵海域を含む、海洋保護区のネットワークの構築を求めている。

(注1) Stock Assessment Of Bigeye Tuna In The Western And Central Pacific Ocean
(注2) Recent Status Of Japanese Skipjack Fishery In The Vicinity Of Japan
(注3) 未来の子どもたちに残したいお魚リスト

お問い合わせ:
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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