WCPFC第7回年次会合開幕へ
RELEASE OCEAN 2010.12.06

WCPFC第7回年次会合開幕へ

【ハワイ・ホノルル 12月5日】WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)第7回年次会合が12月6日から10日まで、ハワイ・ホノルルで開催されます。グリーンピースは開幕前日の5日、ホノルルのシンボルマークであるアロハ・タワー時計台に「WCPFC:Don’t Let Time Run Out on Tuna」と書かれた巨大なメッセージを掲げ、太平洋にマグロ類とその回復のための時間がほとんど残されていないことを訴えました。WCPFC開催国のアメリカやCBD(生物多様性条約)議長国の日本政府をはじめ、加盟国政府がホノルル会合で大きな一歩を踏み出すよう求めます。

「2011-2012年において沿岸の零細漁業(ひき縄など)を除き、太平洋クロマグロの漁獲努力量を2002-2004年の水準以下で維持する」とする規制案がホノルル会合で採択される見通しです。日本近海が全漁獲量の約80%を占める太平洋クロマグロ最大の漁獲国である日本政府は、この規制案の作成を先導してきましたが、WCPFC加盟国の中で2番目に漁獲量の多い韓国の政府はこの案の受け入れを留保しており、本会合中に韓国が留保を解除しなければ、昨年に引き続き2011-2012年も韓国のEEZ(排他的経済水域)には太平洋クロマグロの漁業規制が適用されないことになります。高度回遊魚の保護には国境を越えた漁業管理が不可欠なことから、グリーンピースは韓国政府に本提案の受け入れを要求しています。

WCPFCが管轄する海域においても過剰漁業などの影響で、メバチマグロの親魚資源量は初期資源量の17%にまで激減しています(注1)。また、これまで豊富とされていたカツオも今年はじめて資源量の減少が報告され、太平洋クロマグロにおいては漁獲量の90%を産卵経験のない幼魚が占める状態にあります。今回のWCPFCホノルル会合にオブザーバーとして出席するグリーンピース海洋生態系問題担当の花岡和佳男は、先月パリで閉幕したICCAT(大西洋マグロ類保存委員会)を引き合いに出し、「ICCATは今年も資源枯渇が危惧されている大西洋クロマグロを保護する漁業管理策を採択できぬまま閉幕したが、WCPFCではもうそのような失敗を繰り返してはならない」と指摘。「今回の会合で太平洋島嶼国が提案するように公海のまき網禁止区域を拡大し、海洋保護区を設立することで、メバチマグロやキハダマグロ、そしてこれらの漁業資源の上に生計を成り立たせている人々を、過剰漁業や違法漁業による被害から守ることができる」とし、WCPFC加盟国政府にこの提案への同意を訴えました。

世界のマグロ類漁獲量の半分以上が太平洋で獲られており、太平洋のマグロ類漁獲量はここ3年間、毎年過去最高値を更新しています。漁獲能力や効率性は高まる一方で、特にFAD(人工集魚装置・人工浮漁礁)を用いた漁業対象種だけでなく、絶滅危惧種を含むサメやウミガメ、マグロの幼魚などを大量に混獲する漁業は、大規模で破壊的な漁業で、太平洋の生物多様性の破壊を招いています。また、これまで資源状態が高位と評価されていたカツオの漁業にも影響が顕著なためグリーンピースは、この海域でのFAD使用禁止も訴えています。

(注1)(http://www.wcpfc.int/node/2937)。なお、大西洋クロマグロは親魚資源量が初期資源量の15%にまで減少したことで、2010年3月のワシントン条約第15回締約国会議にて禁輸案が議題にあがった。

<お問い合わせ>国際環境NGOグリーンピース

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