クジラ肉裁判、仙台高裁で控訴審第一回公判 「説得力ある判決を望む」と主張し結審
RELEASE OTHERS 2011.05.24

クジラ肉裁判、仙台高裁で控訴審第一回公判 「説得力ある判決を望む」と主張し結審

【5月24日 仙台】グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一と鈴木徹に関するクジラ肉裁判(注1)の控訴審第一回公判が本日24日、仙台高等裁判所(飯淵進裁判長)で開かれ、同日結審しました。
午後13時半より開廷した第一回公判は、被告人質問を実施した以外、その他の証拠・証人請求はすべて却下され、わずか2時間半足らずで閉廷しました。

2010年12月22日に水産庁は、調査捕鯨船から不正にクジラ肉を受け取っていたことを認め、水産庁の職員5名を懲戒処分(注2)としました。佐藤らの告発行為に、さらなる正当性が認められたことが、高裁の判断にどのような影響をもたらすのかにも注目されていました。

主任弁護人の只野靖は、「地裁の審議が不十分であっただけではなく、高裁での控訴審前には水産庁職員がクジラ肉の不正な取引で戒告処分を受けるという新たな事実がでてきました。この事実をしっかりと審議せずに、結審してしまうというのは拙速です。グリーンピースが現在行っている福島原発事故による汚染調査も、調査捕鯨の不正の調査も、どちらも市民が容易に知ることのできない情報を得て市民に提供しようとする公益的な調査活動であり、その根幹は同一であることを十分に理解して、判決してほしい」と述べました。

さらに佐藤は、「NGOや市民が政府の不正を追及する権利は、より広く保障されるべきだと思う。不正を指摘する人を厳しく罰することと、不正そのものを厳しく罰することのどちらが民主的な社会につながるのか、それを真剣に考えて判決を下してほしい」と訴えました。

2008年6月に二人が逮捕され26日間勾留されたことについて、国連人権理事会の「恣意的拘禁に関するワーキンググループ(注2)」は、これは二人に対する人権侵害であると日本政府に警告しています。

閉廷前に決定した、判決言い渡し日は本年7月12日(火)、15時から。

注1)クジラ肉裁判:グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一と鈴木徹が調査捕鯨におけるクジラ肉の横領疑惑を追及する中で、公的機関に告発するために横流しの証拠としてダンボール箱入りのクジラ肉を確保したことにより、2008年7月11日に窃盗・建造物侵入罪で青森地裁に起訴された事件の裁判。青森地方裁判所は2010年9月6日、懲役1年執行猶予3年の有罪判決を下し、即日控訴。

注2)水産庁の謝罪に関するグリーンピースのプレスリリース(2010年12月24日)
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/archives/pr20101224/

注3)2009年3月、アムネスティ・インターナショナルより国連人権理事会の「恣意的拘禁に関するワーキンググループ(作業部会)」でクジラ肉裁判の佐藤と鈴木の人権侵害が報告された。同作業部会は日本政府に説明を求めたが、政府の回答は国内刑法の説明と、“情報源”が事実を正しく理解していないとのあいまいな主張にとどまった。同作業部会は、日本政府は世界人権宣言の18条、19条、20条と、国際人権(自由権)規約の2条、10条、14条に違反しているとし、推定無罪の原則と公平な裁判を受ける権利を侵害しているとの勧告意見を発表した。
http://www.greenpeace.or.jp/press/releases/pr20100208_html

<お問い合わせ>国際環境NGOグリーンピース

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