グリーンピース、全原発「SPEEDI」情報公開を受けて 文部科学省にシビアアクシデントに対応したシミュレーション実施を要請
RELEASE ENERGY 2011.11.29

グリーンピース、全原発「SPEEDI」情報公開を受けて 文部科学省にシビアアクシデントに対応したシミュレーション実施を要請

グリーンピースは、文部科学省の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)担当者と本日11月29日会見し、SPEEDI自体の目的を確認することに加え、データに関する問題点を指摘しました。
また、東京電力福島第一原子力発電所で発生したような深刻な事故が起きた際、各自治体が最良の原子力防災対策を取るために十分なシミュレーションを実施して説明し、広く一般にも分かりやすい形で公表することを要求しました。

グリーンピースは文部科学省に、SPEEDIによる国内全ての原発の放射性物質拡散予測図形の情報公開を請求しており(10月28日と11月9日実施)、同省はそれにこたえる形で全データをウェブサイトで公開すると11月25日にグリーンピースに伝えました。
そして、同日夕方に同省の運用する「環境防災Nネット」でデータが公開されました(注1)。
公開されたSPEEDIのシミュレーションからは、メルトダウンによって放出される放射性物質の積算量が極めて低いこと、そして福島第一原発事故の半分にさえ満たないほどの規模で事故の想定をしていることが分かりました。

グリーンピース・インターナショナル 放射線安全アドバイザーのヤン・ヴァンダ・プッタは「福島第一原発の事故から何も学んでいないのか、それとも無視をしているのか、適切な防災対策もないままに、停止中の原発が再稼働することは許されない」。さらに「大飯原発のシミュレーションは、放射性ヨウ素の放出が福島原発事故の放出積算量の数千から数万分の1程度の量にすぎないものもあり、驚くほどに不十分なデータに基づいている(注2)。このようなシミュレーションが、日本全国の原子炉に使用されていることは防災対策を策定する上では致命的な間違いである」と続けました。

グリーンピース・ジャパン事務局長 佐藤潤一は「政府には、人々の健康と安全をまもる責任がある。しかしこのたび公開されたシミュレーションは、シビアアクシデントが起きないことを前提にし、事前に対策を取ることを怠っている。これは到底受け入れることはできなく、政府は再稼働の是非を問う前に、実際に起きた福島第一原発事故と同規模、またはそれ以上のシビアアクシデントを想定することが重要だ。また各原子力発電所にあてはめたシミュレーションを実施し、自治体、そして一般にも分かりやすい形で公表するべきである」と要請しました。

グリーンピースが文部科学大臣あてに提出した「SPEEDIによるシビアアクシデント規模の試算結果提供に関する要請」 >>

注1) 「環境防災Nネット」 http://www.bousai.ne.jp/vis/speedi_z/index.html
注2) 「福島第一原子力発電所から大気中への放射性核種(ヨウ素131、セシウム137)の放出総量の推定的試算値について」http://www.nsc.go.jp/info/20110412.pdf
<本件に関するお問い合わせ> 国際環境NGOグリーンピース

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