グリーンピース、行政による福島市周辺の除染作業の不備を指摘
RELEASE ENERGY 2011.12.07

グリーンピース、行政による福島市周辺の除染作業の不備を指摘

国際環境NGOグリーンピースは、12月2日から5日までの4日間に福島市内の渡利および大波地区において放射能調査を実施し(注1)、放射線量の高いホットスポットを確認し、行政によって行われている福島市周辺の除染作業は一貫性がなく不適切であると指摘しました(注2)。

調査対象地域は福島第一原発から約60kmの福島市渡利地区と大波地区で、渡利地区郊外の庭からは10センチで毎時37マイクロシーベルト(μSv)、大波地区の道路に廃棄された土の入った袋からは10センチで毎時10.1μSvの放射線値を示すホットスポットが見つかりました。グリーンピースは、これらの地域の放射線値が避難区域として指定された南相馬市などの汚染レベルと同等であるとし、子どもや妊婦の避難に公的支援が必要としました。

グリーンピース・ジャパンの核・エネルギー問題担当鈴木かずえは、「南相馬市では妊婦と子どもの避難基準がありますが、福島市では同等の場所でも“避難ではなく除染”という対策になっています。しかし除染は避難の代替にはなりません。妊婦や子どもは少なくとも、除染が完了し安全が確認されるまで線量の高い地域から避難できるようにすべきです。」と訴えました。

10月18日から行政による本格的な除染が始まった大波地区では、12月5日現在で370戸のうち終了しているのは35戸のみで、除染が完了するまでに住民が被ばくの危険性にさらされる可能性があります。渡利地区での本格的な除染作業は始まっておらず、行政による詳細調査が実施されている住居は6,700戸のうち1,038戸にとどまっています。住民は十分な情報も安全訓練もないまま、自分で除染をするよう行政からすすめられたケースもあり、住民の健康への不安は高まっています。グリーンピースは、福島市や郡山市など汚染が確認されている地域で大規模な除染の計画を緊急に立てるよう日本政府に8月に要請しましたが、要請は実行されず、福島の住民をめぐる状況は依然として改善されていません。

グリーンピース・インターナショナル放射線安全アドバイザーのイケ・トゥーリングは「放射性廃棄物は除染後も同じ敷地内に置かれ、放射性物質を除去するよりもむしろ汚染を拡散しています。状況は悪いままで、日本政府は国民をまもる責任を放棄し、除染のために必要な知識と設備を持たない地方自治体にその責任をおしつけているようにみえます」と訴えました。

注1)調査結果

注2)発表資料

お問い合わせ:

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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