『福島第一原発事故の教訓』報告書を発表――原発再稼働よりも、東電福島第一原発事故の教訓をいかすことを強調
RELEASE ENERGY 2012.02.28

『福島第一原発事故の教訓』報告書を発表――原発再稼働よりも、東電福島第一原発事故の教訓をいかすことを強調

国際環境NGOグリーンピースは、本日2月28日、本部グリーンピース・インターナショナル(オランダ)が監修・発行した報告書『福島第一原発事故の教訓――原子力行政の制度的欠陥』(原題: Lessons from Fukushima)を発表しました(注1)。本報告書は、東京電力福島第一原子力発電所の事故が自然災害によるものではなく、日本政府と規制機関、および原子力産業の失敗によって起きた人災であることを分析したもので、福島第一原発で起きた事故と同じような惨事が世界中の原発で再発する可能性があり、多くの人々の生命が危険にさらされていることを結論としています。本報告書は日本で発表後、世界中で発表される予定です。

グリーンピースが執筆を依頼した著者は、フランスの放射線研究所アクロの原子物理学者であるデビッド・ボワレー博士、『クロニクル・オブ・ハイヤー・エデュケーション』誌などの日本特派員であるデビッド・マクニール博士、そしてフェアウィンズ・アソシエイツの原子力エンジニアであるアーニー・ガンダーセン氏の3人です。また、放射線安全学専門家のヘルムート・ハーシュ博士によるピアレビューが行われ、下記3点の洞察が示されました。

1.日本政府と東京電力は事故がもたらす影響について想定を誤り、実際のリスクを過小評価して正当な対策を取らなかった。

2.日本の災害対策は世界一の水準だと考えられていたにもかかわらず、原発事故により、その想定が不十分だったことが明らかになった。特に原子力対策緊急避難計画はまったく機能しなかった。

3.10万人を超す原発事故の被災者は、事故から1年がたとうとしているにもかかわらず、十分な財政支援や社会補償がないために生活の再建ができないでいる。

グリーンピース・インターナショナル 放射線安全アドバイザーのヤン・ヴァンダ・プッタは「東電福島第一原発の事故は日本政府のリスクコミュニケーションの失敗であり、人々の安全よりも経済を優先させたエネルギー政策を見直すべきである。この報告書は原子力発電が本質的に安全でないことを指摘し、『安全神話』のもとで人々が放射能の影におびえて暮らすようなことがあってはならない」と述べました。

グリーンピース・ジャパン キャンペーン・マネージャーの花岡和佳男は「政府には人々の健康と安全をまもる責任がある。今回の事故は、事故が起きることを想定して対策を立てることができたにもかかわらず、一握りの組織の利権を守るために起こってしまった。日本政府は、福島の原発事故の原因が十分究明されていない上に、事故の教訓をいかすこともせずに再稼働を急いでいる。政治による過ちの代償を、市民が払うようなことが二度とあってはならない」と訴えました。

グリーンピース・ジャパンは、再稼働が懸念される大飯原発のある福井県に活動拠点「福井アクション・センター」(福井市)を2月22日より開設し、地元の人々と連携して県議会の状況や再稼働に関する動きをリアルタイムで発信しています。また、昨年9月には『自然エネルギー革命シナリオ――2012年、すべての原発停止で日本がよみがえる』(注2)を発表しました。グリーンピースは、「未来世代に安心・安全なエネルギーを提供すること、CO2を削減して気候変動を防ぐこと」をエネルギー問題の最終目標にしています。

注1)グリーンピース・インターナショナル、“Lessons from Fukushima”(英語)
注2)グリーンピースレポート『自然エネルギー革命シナリオ』


お問い合わせ:国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

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