大飯原発周辺で、紙風船を使った放射性物質の拡散予測調査を実施 ――約370km離れた埼玉県や群馬県などでも発見
RELEASE OTHERS 2012.04.05

大飯原発周辺で、紙風船を使った放射性物質の拡散予測調査を実施 ――約370km離れた埼玉県や群馬県などでも発見

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは5日、福井市内で記者会見し、福井県おおい町にある関西電力大飯原子力発電所周辺から、原発事故時の放射性物質の拡散範囲を調べるために紙風船約1500個を飛ばした調査結果を発表し、原発から約370km離れた埼玉県久喜市や、約290km離れた群馬県多野郡など、31カ所で発見されたことを報告しました(注1)。

この調査は、3月29日、30日の2日間、大飯原発周辺で実施しました。2日間とも天候は晴れ、調査1日目の地上10メートルの風速は秒速1.8~6.0メートル、2日目は秒速4.7~8.8メートルの気象条件の中(気象庁HPより:http://bit.ly/HJvpPw)、紙風船約1500個を飛ばし、見つけた市民からの情報提供を呼び掛けていました。調査には、生分解性の材料を用いた和紙製の風船を使用しました。

29日の調査開始から5時間後には、大飯原発から約100Km離れた愛知県津島市で発見。さらに、約120km離れた岐阜県美濃加茂市や、約220Km離れた静岡県磐田市など19カ所で発見されました。30日の調査では、約290km離れた群馬県多野郡や、約350km離れた埼玉県川越市の高校のグラウンドなど12カ所で発見されました(注2)。

群馬県多野郡の畑で31日朝6時頃に紙風船を発見した女性は、「新潟で事故が起こった場合は、放射性物質が飛散してくると思っていたが、まさか福井で事故が起こった場合も飛散の可能性があることがわかってびっくりした」と、発見した時の心境を語りました。

グリーンピースのキャンペーンマネージャー花岡和佳男は、「放射性物質と紙風船とが同じ軌跡をたどるというわけではありませんが、確実なのは、事故の規模や気象条件によって広域に拡散し得るということです。まず国は、再稼働の前提とする『地元』の対象範囲を、リスクを負う可能性のある全地域住民とする必要があります。またそのリスクを可視化し住民に情報共有するために、福井県は福島第一原発事故と同規模のSPEEDIシミュレーションの実施を文部科学省に求めるべきで、文部科学省は福井県及び近隣府県の要請に速やかに応え、その結果を公表する必要があります」と訴えました。

この紙風船を使用した調査は「福井Love風船プロジェクト」と称し、“原発のない福井県”を応援するメッセージをウェブサイトやイベントを通して全国から募集し、集まった1649通のメッセージに合わせて1500個の調査用風船を用意しました。本日の会見に先立ち、福井県議会の会期中に集まった合計1649通のメッセージは、西川福井県知事あてに安全環境部に手渡しました。

注1) 調査結果の報告書
注2) 調査結果の地図

国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

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