グリーンピース、新レポート『原発 _ 21世紀の不良資産』を発表 ~原発再稼働ではなく廃炉へ、責任投資の必要性を強調~
RELEASE ENERGY 2012.06.12

グリーンピース、新レポート『原発 _ 21世紀の不良資産』を発表 ~原発再稼働ではなく廃炉へ、責任投資の必要性を強調~

国際環境NGOグリーンピースは12日、グリーンピースが作成・発行したレポート『原発 _ 21世紀の不良資産――原子力への投資と東京電力福島第一原発事故』(原題: Toxic Assets report)を発表しました(注1)。本レポートは、原発には事故のリスクがあるだけでなく、投資家や金融機関にとって潜在的な“不良資産”であることを指摘し、東京電力福島第一原発事故以前、金融アナリストや格付け機関が独立した原子力規制機関の欠如と原子炉の技術的欠陥といった早期警告を見逃したことが、投資家に莫大な損失をもたらしたと分析しています。さらに金融機関および投資家に対して情報源の多様化を求めると同時に、政府に対して原子力関連リスク情報の透明化と規制機関の独立性を高めることを要求することを提案しています。そして福島原発事故を経験した今、原発の継続利用と新規建設ではなく、廃炉を選択する「責任投資」が金融業界に求められていることを結論としています。

本レポートは、原発関連への投資を取り巻く現状とリスクを分析しています。まず、東京電力の株価は福島原発事故以降90%値下がりし社債はジャンク級に格下げされ、原発を保有する電力会社への投資と融資価値は大幅に目減りしました。次に事故にいたった原発のリスクを分析し、金融アナリストや格付け機関は短期的利益にとらわれ、原子炉の設計上の問題、コーポレートガバナンスの不備、独立した規制機関の欠如、地震や津波など自然災害といった「早期警告」を見逃したことを指摘しています。電力会社の株主総会を月末に控え、グリーンピースはこのレポートを通して、電力会社の株主をはじめとする機関投資家に対し、原子力はもはや不良資産であり、株主として、債権者として原子力発電への依存をやめ、できるだけ早い時期に自然エネルギーへの投資を増やすことが投資家にも社会にも優れた選択であると提言しています。

本レポートの著者で、グリーンピース・インターナショナル エネルギー投資シニアアドバイザーのギョルギー・ダロスは「東電福島第一原発事故で、原子力は危険なだけでなく、原発産業への投資はリスキーで高くつくことが明らかになりました。原発は電力会社に利益をもたらすよりも、企業の資産価値をはるかに超える負債をもたらす可能性があります。さらに、今後予想される老朽化した原子炉のリスクが十分に考慮されていないことも、投資家にとっては大きなマイナス材料です」と述べました。

グリーンピース・ジャパン エネルギー担当の関根彩子は「野田首相の“経済社会のために再稼働が必要”という発言は、国民の声にも、大半の企業の意思にも、原発の経済的リスクにも、そして福島の教訓にも裏付けられていません。お金の流れを原発ではなく自然エネルギーへと転換することを主流とすること、そして金融機関その他の投資家が社会と環境、人々の生活に責任ある投資をすることが次世代への大きな一歩となると期待します」と訴えました。

尚、本日からグリーンピース・ジャパンでは、関西電力の株主総会(6/27)に向けて、大株主たちが原発の再稼働についてどのような意見であるかに注目するオンラインアクション(注2)を開始します。関電の株主総会には筆頭株主の大阪市が脱原発提案を提出しており、グリーンピースでは、第二の大株主である日本生命の動向にとくに注目しています(注3)。

注1) レポート、『原発 _ 21世紀の不良資産』
注2) オンラインアクション「原発を動かしたいのは誰?関電株主総会に注目を」(※6月13日より開始)
注3) ブリーフィングペーパー 『日本生命と原子力産業』
参考資料: 『自然エネルギー革命シナリオ』

国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

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