拙速な再稼働は「安全神話」繰り返す“歴史的な大罪” ――日本政府の大飯原発再稼働決定に抗議するグリーンピース声明
RELEASE ENERGY 2012.06.16

拙速な再稼働は「安全神話」繰り返す“歴史的な大罪” ――日本政府の大飯原発再稼働決定に抗議するグリーンピース声明

日本政府が16日に関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を最終決定したことに対して、国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、大飯原発の拙速な再稼働は「安全神話」を繰り返す“歴史的な大罪”だとして抗議する声明を発表しました。

グリーンピースは、今年2月中旬から2カ月半の間福井市に拠点を設け、東京電力福島第一原発事故以来初となる再稼働をめぐり、原発立地県でどのような議論や住民との合意形成がなされるのかを注視し、全国へ情報を発信してきました。しかし、2月の定例県議会では踏み込んだ議論はほとんどなく、その後の県の原子力安全専門委員会でも住民を置き去りにした審議が繰り返されました。この間、住民たちは知事や県議会に対して、住民の意見を聞く場を設けるように何度も要望してきましたが、聞き届けられることはありませんでした。

【「安全神話」を繰り返す“歴史的な大罪”】
・ 大飯原発の再稼働について、福井県民を対象とした政府や県による説明会は皆無
・ 政府や県による再稼働の是非を問う住民アンケートや県民投票の実施は皆無
・ 大飯原発での事故を想定した住民避難訓練は3.11以降実施ゼロ
・ 詳細な地震影響調査、免震事務棟やフィルター付きベントなど重要な安全対策が未実施
・ 福島第一原発事故以来、福井県はSPEEDI(注1)利用の権利があるにもかかわらず、大飯原発事故時の放射性物質拡散調査は未実施
・ グリーンピースや県民らが、大飯原発で事故が起きたとの想定で滋賀県が独自に実施した放射性物質拡散予測結果の福井県部分を情報公開請求したのに対し、福井県は、滋賀県以外を真っ黒に塗りつぶして公開(注2)

野田佳彦首相は、再稼働について「国民の一定の理解をえて」と繰り返し述べてきましたが、国民の声は全く無視されています。過去3か月間で各機関が実施した再稼働についての意識調査では、再稼働容認派が反対派を上回ったのは15件中1件のみでした(注3)。国民が自らの生活を考えて望んでいるのは再稼働ではありません。国民の生活を守ることが首相の唯一絶対の判断の基軸と言うのであれば、何よりも先に国民の声を真摯に聞き、再稼働をやめ「原発のない日本」を作っていく意思を示すべきです。

注1) SPEEDI=緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム
注2) 滋賀県実施の独自拡散予測について福井県が開示した図(黒塗り)
注3) 再稼働意識調査まとめ

国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

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