製造業の99.5%は「電力少消費業種」 グリーンピース、電力コストに関する検証を発表
RELEASE ENERGY 2012.10.11

製造業の99.5%は「電力少消費業種」 グリーンピース、電力コストに関する検証を発表

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日10月11日、製造業の電力コストについて検証した結果、「電力多消費業種」(生産額に占める購入電力コスト (注1)割合が10%以上)が製造業全体の生産額に占める割合は約0.2%にとどまる一方、99.5%は「電力少消費業種」(同5%未満)であり、電力コスト上昇が製造業全体にあたえる影響は限定的で業種によって大きく異なることを公表しました。
この検証から、以下のことが明らかになりました。
– 製造業全体に占める「電力多消費業種」(注2)の生産額は約0.2%
– 製造業全体に占めるセメント製造業など「準電力多消費業種」(注3)の生産額は約0.4%
– 製造業の約99.5%は製造品出荷額等に占める購入電力コストが5%未満の「電力少消費業種」(注4)

図:製造業の生産額に占める購入電力コスト割合と生産額割合(PDF)

日本の電力消費の3分の2は産業部門と業務部門が占めており、産業部門の約8割は製造業によるものです。今回の検証は経済産業省工業統計(2010年度版、注5)のデータをもとに、業種ごとの購入電力コストが生産額に占める割合を製造業全体と比較したものです。

「電力少消費業種」である機械製造業は合計で製造業生産額の3割を占めており、自動車、発電用タービン、蓄電池、生産用機械、ボイラ、ポンプ製造業などが含まれます。これらは、企業や家庭の省エネ投資・自然エネルギー投資が増えることが新たなビジネスチャンスとなる業種です。

このように、国内でもっとも電力消費が顕著な製造業においても、電力コスト上昇が業界全体にあたえる影響は非常に限定的であることがわかります。電力コスト上昇があたかも経済界全体の死活問題かのように語られることは妥当ではありません。

電力コスト上昇については、「電力多消費業種」とそうでない業種は分けて考えられるべきです。そのうえで「電力多消費業種」については、省エネ投資を支援するなど政策として手当を具体的に検討し、「電力少消費業種」については社会的な省エネや自然エネルギーの普及拡大が進むよう積極的に業界をリードすべきです。

グリーンピースでは、エネルギーシフトによる困難や変化をプラスに変え、新たな価値を創り出し、国民・消費者が望む原発に依存しない社会の一刻も早い実現に貢献していくことこそ、今一番求められている企業の社会的責任(CSR)であると考え、今後も企業への働きかけを続けていきます。

注1) 購入電力コストとは、企業が電力会社から購入した電力の費用で、燃料費および自家発電用燃料は除く。生産額とは、製造品出荷額等のこと。

注2) 「電力多消費業種」とは、購入電力コストが製造品出荷額等の10%以上の業種を指す。圧縮ガス・液化ガス製造業(生産額比購入電力コスト31.5%、製造業生産額に占める割合は0.1%)、ソーダ工業(生産額比購入電力コスト11.8%、製造業生産額に占める割合は0.1%)など。

注3) 「準電力多消費業種」とは、購入電力コストが製造品出荷額等の5%以上の業種を指す。セメント製造業(生産額比購入電力コスト6.5%、製造業生産額に占める割合は0.1%)、窒素質・りん酸質肥料製造業(生産額比購入電力コスト9.1%、製造業生産額に占める割合は0.01%)など。

注4) 輸送用機械器具製造業(生産額比購入電力コスト0.7%、製造業生産額に占める割合は19.1%)、食料品製造業(生産額比購入電力コスト1.2%、製造業生産額に占める割合は8.0%)、電気機械器具製造業(生産額比購入電力コスト0.7%、製造業生産額に占める割合は5.5%)など。なお、雇用については、製造業全体の雇用の約99.6%が「電力少消費業種」である。

注5) 経産省工業統計調査 22年確報 産業編

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国際環境NGOグリーンピース

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