土用の丑の日が、絶滅危惧種を食べる日に ――大手スーパーマーケットに、ウナギの調達方針をアンケート調査
RELEASE OCEAN 2013.07.17

土用の丑の日が、絶滅危惧種を食べる日に ――大手スーパーマーケットに、ウナギの調達方針をアンケート調査

国際環境NGOグリーンピースは17日、土用の丑の日を間近に控え、大手スーパーマーケット5社(イオン、西友、ダイエー、ユニー、イトーヨーカドー)に対して、絶滅危惧種及び乱獲が問題になっているウナギの調達方針についてアンケート調査を行いました(注1)。各社とも、ウナギの資源状態の回復に向けた効果的な取り組みを行っておらず、さらにウナギの食文化や持続可能な海の生態系を重視した調達方針の策定もしておらず、薄利多売型の短期的利益を優先している姿勢が浮き彫りとなりました。
2013年6月25日から7月6日にかけて、国内スーパーマーケット大手5社に対してアンケート調査を実施し、ウナギの「取扱いの有無」、「取扱量」、「取扱いに関する考え」、「調達方針」について質問しました。このうち「取扱いの有無」「取扱いに関する考え」「調達方針」については全社から回答がありましたが、「取扱量」については、5社中4社が非公開としました。

これまで日本で消費されてきたウナギは、「ニホンウナギ」と「ヨーロッパウナギ」の2種でほぼ占められています。環境省は2013年2月に、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定したほか、同年国際自然保護連合(IUCN)でも絶滅危惧種に指定することを検討しています。ヨーロッパウナギに関しては、2008年にIUCNの絶滅危惧種リストで、「近い将来の絶滅の危険が極めて高い種」に指定されています

国内のウナギ流通業界は、上記の2種に代わるウナギを世界各地で探しており、総務省貿易統計によるとアメリカやオーストラリア、タスマニアなどの国々からの輸入が行われていますが、これらのウナギは資源管理が行われていません。特定の種を獲り尽くしたら次の種に手を付け乱獲を繰り返すという焼畑的な漁業・流通・消費を今後も続けていけば、代替ウナギも、ニホンウナギやヨーロッパウナギと同じ絶滅の道をたどってしまいます。

グリーンピースの海洋生態系担当の花岡和佳男は、「現在、日本で消費されているウナギの実に99%以上(注2)が、絶滅危惧種に指定されています。これまで日本の食文化にとって大切な日として位置付けられてきた土用の丑の日はいまや、国をあげて絶滅危惧種を食べる悲しい日となってしまっています。政府や国際機関による資源管理が機能していないいま、同じ過ちを繰り返さないためには、消費者に直接大量のウナギを提供するスーパーマーケットが率先して、絶滅危惧種や乱獲された種を取り扱わない調達方針を策定することが急務です。さらに、魚介類が日々の食に欠かせない日本では、食卓に上るお魚の約70%(注3)がスーパーマーケットで販売されています。私たち消費者がこの先もずっと安心して食卓を囲めるよう、スーパー各社は、ウナギだけではなく、全ての魚介類を対象とした持続可能な調達方針を策定する必要があります」と訴えました。

注1) ウナギの調達方針に関するアンケート調査www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20130717_eel.pdf

注2) 日本養鰻漁業協同組合連合会
財務省貿易統計

注3) 水産庁 平成23年度水産白書

関連キーワード