太平洋マグロ資源回復のため管理強化を漁業国に呼びかけ
RELEASE OCEAN 2013.08.26

太平洋マグロ資源回復のため管理強化を漁業国に呼びかけ

WCPFCワーキンググループ開催に先立ち都内で会見
国際環境NGOグリーンピースは26日、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)及びその加盟政府に向けて、メバチマグロをはじめとする太平洋のマグロ類とその漁業の緊急な保護措置を取る必要性を訴えました。

太平洋のメバチマグロの資源状態はいま、長年続いてきた乱獲により、深刻な現状にあります。その資源管理を行う国際機関であるWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)のワーキンググループが、8月27日から30日にかけて、東京の三田共用会議所で開催されます。これに先駆けてグリーンピースは日本外国人特派員協会で会見を行い、WCPFCおよびマグロ漁業国に対し、メバチマグロの過剰漁業を規制し、他の熱帯マグロ類に関しても、予防原則と科学的根拠に基づいた資源管理を強化するよう求めました。(注1)

グリーンピース・ジャパンの海洋生態系担当、花岡和佳男は「約二週間前に開催されたWCPFC科学委員会の会合では、太平洋のメバチマグロが過剰漁獲の状態にあると再度警告され、対策の必要性が言及されましたが、持続可能性を担保するための試みは未だに行われていません。このままではメバチマグロも、未開発時の4%弱にまで個体数が激減した太平洋クロマグロと同じ道を辿ってしまうでしょう。主に刺身用としてスーパーマーケットなどにも広く流通しているメバチマグロが激減することは、刺身用マグロの世界最大の消費国である日本の次世代の食卓に大きな影響を与えてしまいます」と訴えました。

中西部太平洋でのメバチマグロ漁業は、成魚を対象としたはえ縄漁から、幼魚の群れを一網打尽にする巨大な網を使った巻き網漁へと拡大してきました。今やこの巻き網漁は、無差別に魚を寄せ付け混獲率の高い人工集魚装置(FAD)に依存するようになっています。しかし、WCPFC加盟国であり主要漁業国である韓国、台湾、中国、日本、EU諸国、アメリカ等の政府は、太平洋のマグロ漁を持続可能にするための、はえ縄漁やFADを用いたまき網漁による漁獲量の大幅削減に、未だに一歩を踏み出せないでいます。

グリーンピース・インターナショナルの海洋生態系担当、サリ・トルヴァネンは、「メバチマグロの漁獲量を減らし、幼魚や非対象種までも大量に獲るFADの使用を禁止し、漁船数を市場に適したレベルにまで下げる強い対策を取らなくては、漁業会社は漁業資源の低下に伴い大きな被害をこうむることになるでしょう。マグロ漁業を持続可能な産業に作り替えていくため、今は漁獲量削減による収入減などの一時的負担をWCPFC加盟国が担うことが求められます」と語りました。

(注1)
Peter Williams and Peter Terawasi. Overview of Tuna Fisheries in the Western and Central Pacific Ocean, Including Economic Conditions―2012. Western and Central Pacific Fisheries Commission, 2013.

参考資料
熱帯マグロ類に関する中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)ワークショップへの提言

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