グリーンピース、川内原発再稼働に関する県民意識調査を実施――「再稼働についての説明十分」は4%のみ、不十分な防災体制・住民参画不足が浮き彫りに
RELEASE ENERGY 2013.11.28

グリーンピース、川内原発再稼働に関する県民意識調査を実施――「再稼働についての説明十分」は4%のみ、不十分な防災体制・住民参画不足が浮き彫りに

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、11月28日、再稼働審査が進められる九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)に関して、鹿児島、熊本、宮崎県の住民を対象とした意識調査の結果を発表し、九州電力や国の情報公開・説明について「十分」と答えた住民が3.6%に留まることを明らかにしました(注1)。意識調査の結果を受け、グリーンピースは市民グループ「反原発・かごしまネット」と共に、鹿児島県の伊藤知事宛てに「川内原発1,2号機の再稼働を認めないことを求める共同要請書」を、鹿児島県危機管理局原子力安全対策課長に提出しました(注2)。

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今回の調査は、最も実施が近いとされる川内原発の再稼働について、住民は十分な情報提供を受けているか、自身の意見が反映されていると感じているか、などを調べる目的で、川内原発の立地する鹿児島県、近接する熊本、宮崎県の住民計500人に対し、11月20~21日に第三者機関(注3)に委託して行ったものです。

調査結果では、「川内原発で事故が起きた際にどこに避難するべきか、自治体から情報提供をされている」と答えた方は4%にとどまり、96%の回答者が「情報提供されていない」もしくは「わからない」と答えました。住民の安全を守るために重要な避難場所ですらも、自治体の情報提供は徹底されておらず、防災の備えが十分でない実態が浮き彫りとなりました。また、「川内原発の再稼働判断の前に、SPEEDI等の放射能拡散シミュレーションや事故による経済被害の予測など地域への事故の影響を知りたいか」との問いに対し、「知りたい」、「どちらかと言えば知りたい」と答えた方は78%に上り、情報の必要性が高いことが明らかになりました。

また、経済への影響について、「川内原発の停止により、経済的に悪影響を受けているという実感がある」、「どちらかといえばある」との回答は合わせて26.4%であるのに対し、「特にない」または「どちらかといえばない」と答えた人は55.8%であることが分かりました。一方、再稼働について、地元や近隣地域の住民の意見が「十分反映されている」、「ある程度反映されている」と答えた方は合わせて12%でした。今回の調査からは、原発停止の経済への影響が顕著に訴えられているとは言えず、地元経済への影響を再稼動の主要な理由とすることに疑問が生じます。また、住民の意見反映のために大幅な仕組み改善が必要であることが明らかになりました。

グリーンピースと反原発・かごしまネットは共同で、これらの調査結果と、鹿児島県知事宛ての要請書を県の原子力安全対策課長に提出、質疑応答を行いました。同課長は、川内原発から30キロ圏内のすべての自治体で避難計画が完成していないにも関わらず、再稼働手続きが進んでいることについて「国は『再稼働と防災計画はリンクしない』と言っている。要請内容は知事に伝える」と回答しました。

反原発・かごしまネット代表の向原祥隆氏は、「避難経路の渋滞予測が考慮されていないなど、避難計画の実効性には大きな疑問が残ります。また、再稼働にあたって、事故による経済被害の予測が一切なされていないことはとりわけ問題です。再稼働の経済的なメリットを口にするのであれば、同時に事故による経済被害の予測も実施・公表しなければ、冷静な判断はできないのではないでしょうか」と指摘しました。

また、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、エネルギー担当の高田久代は、「県庁担当者の話からは、住民の安全を担保する実質的な体制が整えられていないにも関わらず、原発の再稼働ありきで机上の議論が進められている様子が伺えました。知事は県民の安全を最優先にすべきですが、その責任は果たされていません。原発は稼働させれば、事故の危険性がより高まります。防災体制も、住民参画も不十分な状態のなか、川内原発の再稼働は決して行うべきではありません」と訴えました。(注4)。

注1) 調査結果詳細
注2)要請
注3)楽天リサーチ株式会社によるインターネット調査
注4)グリーンピース・ジャパンは、11月26日、現在再稼働手続き中の原発立地自治体の知事と、安倍首相宛てに原発再稼働の停止を求める「とめよう再稼働」オンライン署名を開始しました。 http://www.greenpeace.org/japan/ja/action/StopRestart/main/


国際環境NGO グリーンピース・ジャパン

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