グリーンピース新DNA調査発表 ― 絶滅危惧ウナギ、大手スーパーマーケットで不正に流通 ―
RELEASE OCEAN 2014.07.10

グリーンピース新DNA調査発表 ― 絶滅危惧ウナギ、大手スーパーマーケットで不正に流通 ―

国際環境NGOグリーンピースは10日、国内大手スーパーマーケット14社(注1)のウナギ取り扱い実態を把握するため、5月28日から6月25日にかけて、店頭で販売されている輸入ウナギ商品のDNA検査と各社アンケート調査結果を実施、本日結果を発表しました(注2)。調査の結果、14社17商品のうち4社4商品で、企業からの回答とDNA検査の結果に不一致が生じ、誤った種の把握のもとでウナギ商品が販売されていた実態が判明しました。

スーパーマーケットの回答とD N A検査結果に不一致が生じた4商品のうち、イズミ(本社広島県)が「アメリカウナギ」と把握していた商品はD N A検査の結果、「ヨーロッパウギ」でした。ヨーロッパウナギは、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種に登録され、ワシントン条約付属書IIにも指定されています。この事実は、貿易管理が実施されている同種が適正な手続きなしで不正に多国間を移動した可能性を示しています。また、残りの3商品は、実際は「アメリカウナギ」でしたが、販売スーパーマーケット各社はいずれも種を「ヨーロッパウナギ」と回答しており、同種がずさんな流通体制のもとで売買されている事実が明らかになりました。

調査結果を受け、イズミは「該当商品を含む中国産の取り扱いを中止し、問題が解決されるまで調達をキャンセル」することを決めました。今回のアンケート調査により、新たに6社がヨーロッパウナギの販売を中止する決定をしていることが明らかとなり、同種を扱わない方針を持つ大手スーパーマーケットは、15社中11社となりました。

グリーンピースは、絶滅危惧種が不正に国際取引されている可能性と、日本政府がワシントン条約事務局にヨーロッパウナギの貿易実態を正しく報告していない可能性を問題視し、ワシントン条約下でウナギ種の特性について経済産業省(管理当局)に助言する立場にある水産庁(科学当局)に、関係省庁や輸出国との連携によるヨーロッパウナギの貿易管理体制の強化などを要請しました。(注3)

グリーンピース海洋生態系担当の花岡和佳男は「日本はワシントン条約締約国であると同時に世界各地からウナギ商品を輸入する世界最大のウナギ消費国です。そのため、資源・貿易管理において大きな責任を持ちます。次世代にウナギを残すには、政府による資源・貿易管理体制の強化が必要です。さらに、これまでウナギの薄利多売をしてきたスーパーマーケットが、絶滅危惧種や乱獲された魚を取り扱わない持続可能な調達方針を策定し、トレーサビリティ体制を強化することが求められます。そして、業界団体を通じて行政やサプライチェーンに働きかけ、各ステイクホルダーで横の連携を図り対策を講じていくことが必要です。」と訴えました。

注1) 大手14社:イオン、ユニー、ダイエー、西友、ライフ、イズミ、アークス、ヨークベニマル、平和堂、マルエツ、フジ、イズミヤ、オークワ、バロー。尚、業界大手のイトーヨーカドー店頭では輸入ウナギ商品をみつけることが出来なかったため、同社商品のDNA検査は実施しなかった。

注2) レポート「絶滅危惧ウナギの不正な流通」(2014年7月10日発表)

注3) 要請書(2014年7月10日提出)


国際環境NGOグリーンピース

関連キーワード