グリーンピース新現地調査レポート「代替ウナギも赤信号」発表 ―第3のウナギ、インドネシア・ビカーラ種も絶滅の恐れ―
RELEASE OCEAN 2014.07.23

グリーンピース新現地調査レポート「代替ウナギも赤信号」発表 ―第3のウナギ、インドネシア・ビカーラ種も絶滅の恐れ―

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、「代替ウナギ」として注目されるビカーラウナギの流通実態を把握するため、2014年6月13日から22日にかけてインドネシアでフィールド調査を行い、調査結果を本日23日に発表しました。(注1)本調査結果から、資源管理なきままに日本からの需要増によって同種が乱獲状態にあることが明らかとなりました。土用の丑の日に向けてウナギ商品を多く扱う大手スーパーマーケット15社(注2)の中で、同種の取り扱いが唯一あるイオンには、絶滅を回避するための積極的取り組みを求めます。
世界一大ウナギ消費国である日本の需要を支えてきたヨーロッパウナギとニホンウナギは、共に国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定しており、今後代替となるウナギの需要が増えることが見込まれています。しかし、その筆頭であるビカーラウナギの主産地、インドネシアでは漁獲量の正確な統計情報がなく資源管理に関する調査も未だ行われていません。これを問題視したグリーンピースは現地に赴き、漁業者、養殖業者、水産省などのステイクホルダーにインタビュー調査を実施しました。その結果、取引価格の上昇、漁業人口の増加、ウナギ漁業規制の行き詰まりなど、日本からの需要増によって同種が乱獲されている実態が明らかになりました。

本レポートでは、インドネシアのウナギ市場の現状と課題をまとめました。グリーンピースがアンケート調査を実施した大手スーパーマーケット15社の中で、ビカーラウナギの取り扱いがあると回答したのはイオン一社のみであり、イオンで販売されている商品 (販売名はインドネシアウナギ)は、丸紅がインドネシアの企業と共に2012年に設立したIROHA SIDAT INDONESIA社のものです。イオンは同種の取り扱いについて、「資源量の把握の必要性について、国内外のステイクホルダーと対話していくと共に、トレーサビリティを明確にし、調達方針に基づき環境と資源量、生産方法に配慮しながら継続していきたい」とコメントしています。しかし、対策のないまま販売を続ければ、ニホンウナギやヨーロッパウナギと同様に、ビカーラウナギも絶滅の危機に見舞われるのは時間の問題です。実際に、同種は2014年6月に IUCNのレッドリストで「準絶滅危惧種(NT)」に指定されています。

グリーンピース海洋生態系担当の花岡和佳男は「現地でのビカーラウナギの需要増を考えると早急な取り組みが必要です。絶滅危惧種になってから対策を講じるのでは遅すぎます。ウナギを次世代の食卓に残すためにも、今、資源管理をすることが求められています。行政の取り組みが遅れる中、インドネシアで直接ウナギを売買する日本の商社や、商社から商品を購入して消費者に販売するスーパーマーケットが積極的に取り組みを強化することが必要です。また、ウナギは氷山の一角にすぎません。たとえば、太平洋クロマグロは初期資源の3.6%しか残っていないといわれています。スーパーマーケットは絶滅危惧種や資源量が減少しているものの取り扱いを中止するべきです」と訴えました。

また同日、日本市場が世界中のウナギを消費しつくしている現状を一般消費者に伝えることを目的に、動画「ウナギが絶滅危惧種? 知っているようで知らないウナギの話 – Eel Deal -」をグリーンピースの同ウェブサイト上で公開しました。(注3)

注1) レポート 「薄利多売で進むウナギ絶滅への道 代替ウナギも赤信号」
注2) 大手スーパーマーケット15社:イオン、イトーヨーカドー、ユニー、ダイエー、西友、ライフ、イズミ、アークス、ヨークベニマル、平和堂、マルエツ、フジ、イズミヤ、オークワ、バロー
注3) 動画「ウナギが絶滅危惧種? 知っているようで知らない ウナギの話- Eel Deal -」(近日中に公開)


国際環境NGOグリーンピース

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