太平洋クロマグロ資源回復のため管理強化を漁業国に呼びかけ ―WCPFC北小委員会を前に、国際環境NGO3団体が要請―
RELEASE OCEAN 2014.08.29

太平洋クロマグロ資源回復のため管理強化を漁業国に呼びかけ ―WCPFC北小委員会を前に、国際環境NGO3団体が要請―

国際環境NGOグリーンピースは8月29日、WCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)第10回北小委員会の開催を前に、日本外国人特派員協会で国際環境NGOのWWF、ピュー・チャリタブル・トラスツと共に会見を行い、委員会及びその加盟国・地域に向けて、太平洋クロマグロに対して緊急的な保全措置を取る必要性を訴えました。
太平洋クロマグロは既に初期資源量の約4%まで減少しています。(注1) 9月1日より福岡県福岡市で開催されるWCPFC北小委員会では、ISC(北太平洋マグロ類国際科学委員会)が示すシナリオに基づいた「未成魚の漁獲量50%削減(2002-2004平均比)」が水産庁により提案される運びですが、一方で産卵親魚の具体的な対策については現在のところ先延ばしになっています。グリーンピースは上記2団体と共に、WCPFC北小委員会及び加盟国・地域へ、持続可能性を最優先し資源管理を強化するよう、下記を求めます。

太平洋クロマグロ資源の回復への第一歩として、WCPFC全加盟国は本年、少なくとも未成魚の漁獲量を2002~2004年の平均漁獲量の50%に削減、また成魚の漁獲量も2002~2004年の平均漁獲量に制限すべきである。さらに、IATTC(全米熱帯まぐろ類委員会)管理海域における漁獲量5,500トンから50%の削減を目指す。
資源を適時に限界管理基準値まで回復すること、さらには目標管理基準値まで回復するために、2015年の合意に向け科学的根拠に基づく管理計画の策定に努める。この限界管理基準値とは、WCPFCの管理下にあるその他のマグロ類で合意された管理基準値と整合するよう、最低でも初期資源量の20%とすべきである。限界管理基準値までの適時回復とは、現状で実施しうる最善の時間枠によって定められるべきであり、また80%の確率で達成されるべきである。
上記2点が合意されない場合は、全ての太平洋クロマグロ漁は、科学的および予防的漁獲制限を含む科学的根拠に基づく資源回復管理計画が合意および導入されるまで、また合意された生物学的限界管理基準値を上回る回復をしたという決定的な証拠が得られるまで、操業停止されるべきである。
グリーンピース・ジャパン海洋生態系担当の花岡和佳男は、「今回の委員会で全加盟国・地域が水産庁の提案する『未成魚の漁獲量50%削減』に合意をすることは、資源回復へ向けての最低条件の一部に過ぎません。」と訴えました。さらに、「日本は世界の太平洋クロマグロ消費の80%(注2)を占める一大市場国で、家庭で消費される魚介類の70%はスーパーマーケットで販売されています。(注3) 次世代の海と食卓に確実に残すため、スーパーマーケットは行政や国際機関に頼るだけでなく、率先して調達を見直す必要があります。『天然』『国産』『本マグロ』を安く大量調達するために未成魚や産卵親群の乱獲を後押しすることを中止し、持続性確保を最優先とする資源回復計画に協力することが不可欠です」と続けました。

(注1) International Scientific Committee(ISC), ‘PACIFIC BLUEFIN TUNA STOCK ASSESSMENT’, December 2012
(注2) FAO FISHSTAT と財務省貿易統計より推計
(注3) 総務省「家計調査報告(家計収支編)」

参考資料:
国際環境 NGO グリーンピース ポジション・ペーパー 中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第 10 回北小委員会


国際環境NGOグリーンピース

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