「福島の教訓活かせ」、鹿児島県知事に川内原発再稼働に同意しないことを要請 ――鹿児島市と同じく原発から40キロ圏の飯舘村での放射線調査をもとに
RELEASE 2014.10.31

「福島の教訓活かせ」、鹿児島県知事に川内原発再稼働に同意しないことを要請 ――鹿児島市と同じく原発から40キロ圏の飯舘村での放射線調査をもとに

国際環境NGOグリーンピースは、本日、九州電力川内原発の再稼働について、原発が立地する鹿児島県と薩摩川内市だけでなく、甚大な被害を受ける可能性のある広範囲の自治体が意思決定に参加すべきであるとし、鹿児島県に再稼働に同意しないことを要請しました。今回の申し入れに先駆けて、東京電力福島第一原発事故直後に高い放射線量が測定された福島県飯館村で放射線調査を実施し、鹿児島市が同村と同様に原発から40キロメートル圏に位置していることを指摘、川内原発の再稼働に警鐘を鳴らしました。
10月27日に飯舘村で行った調査では、大規模な除染作業が現在行われているものの、道路上で計測した2217カ所のうち96%が、政府が目標としている0.23マイクロシーベルト毎時(注1)以上を示し、福島第一原発事故から3年7カ月を経た今も、高濃度に放射能汚染されていることが明らかになりました。グリーンピースはこの調査結果とともに、鹿児島県の伊藤祐一郎県知事宛てに、再稼働に同意しないことを求める要請書と、インターネットで行っている再稼働反対の署名17,619筆を提出しました(注2)。

グリーンピース・ジャパン 気候変動/エネルギー担当の高田久代は、「伊藤知事は、再稼働の地元合意の範囲を薩摩川内市と県で十分としていますが、原発から40キロ圏の飯舘村が高い放射能に汚染されたように、放射性物質は距離に比例して同心円状に広がるわけではありません。だからこそ、甚大な被害を受ける可能性のある周辺自治体や隣接県を含む、広い範囲での協議が不可欠です。また、一方的な説明会ではなく、住民の声を聴く公聴会を開催し、再稼働可否の意思決定に参加させるべきです」と強く訴えました。

申し入れに対応した鹿児島県危機管理局原子力安全対策課の技術主幹(兼)原子力安全管理係長の實成隆志氏に、60万人が暮らし、飯舘村と同様に40キロ圏内に位置する鹿児島市全体の避難計画について確認したところ、現在30キロ圏外の避難計画はないとし、「再稼働前にそうした計画を作る予定もない」と回答しました。

飯館村での放射線調査を率いたグリーンピース・ベルギー エネルギー担当/放射線防護アドバイザーのヤン・ヴァンダ・プッタは「鹿児島市も飯舘村と同様に、原発事故が起これば、住民がいつ戻れるか分からない避難区域になる可能性があります。60万もの住民が暮らす県都が全市避難となった場合の想定も備えもまったくないままで、なぜ知事は再稼働の判断が可能なのか理解できません」と訴えました。

高田は、「福島原発事故は残念ながら防ぐことはできませんでした。しかし、今なら日本で第二の過酷事故が起こらない選択をすることができます。住民の命と暮らしを守る立場にある伊藤知事に、福島原発事故の教訓を生かし、川内原発の再稼働を認めないことを求めます」と要求しました。

グリーンピースは、福島第一原発の事故直後から、空間放射線量を定期的に調査してデータを公表するとともに、調査結果に基づき市民を被ばくから守るための提言等を続けてきました。直近では10月24日から27日にかけて、福島市、今も全村避難が続く飯舘村、村東部の避難指示準備解除区域(20キロ圏内)の指定が10月1日に解除された川内村、同区域指定が4月1日に解除された田村市都路地区の計4市村で実施しました(注3)。

注1)年間1ミリシーベルトとなる被ばく線量
注2)要請書
注3)10月30日、日本外国特派員協会にて発表(発表資料スライドデータシート


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国際環境NGOグリーンピース

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