NGO共同提言:実効性のある違法伐採対策を!~責任ある木材調達国としてリーダーシップを発揮するために~
RELEASE 2015.09.17

NGO共同提言:実効性のある違法伐採対策を!~責任ある木材調達国としてリーダーシップを発揮するために~

世界の森林減少・劣化、そして持続可能な森林管理を脅かす大きな原因としての違法伐採問題を憂慮する私たち日本のNGO・団体は、日本において違法伐採対策の強化に向けた議論が進展していることを歓迎します。
世界の森林は年間1,300万ヘクタールが減少を続けており[1]、生物多様性の損失だけでなく、気候変動を促進し、森林に依存して暮らす先住民族・地域住民に大きな影響を及ぼしています。森林減少・劣化の一因である違法伐採を防止するための対策としては、木材生産国での国内措置と国際的な支援が重要である一方、木材消費の多い消費国において違法伐採木材・木材製品等の流通を規制することが重要です。

日本は違法伐採対策としてグリーン購入法に基づき政府調達等において木材・木材製品等の購入にあたって合法性の確認を求める措置を導入しました(2006年)。その後、米国(2008年レイシー法改正)、欧州連合(EU)(2013年EU木材規則施行)、オーストラリア(2014年違法伐採禁止法施行)など他の主要な木材消費国が、違法伐採木材の取引を民間でも禁じる法制度を導入しています。日本の制度はこれら諸外国の制度に比べ、対象範囲が政府調達等に限られる、相手国政府の発行する合法性証明制度に依存しているなどの点で違法伐採木材を排除するための強制力や実効性に欠けるものとなっています。

現在、自由民主党における「違法伐採対策の一層の強化に向けた中間とりまとめ」及び「違法伐採対策制度検討ワーキングチーム」の設置、民主党での「森林・林業政策ワーキングチーム」の立ち上げ、そして公明党の「農林水産部会・林業振興議員懇談会」での勉強会など、主要な政党で日本の違法伐採対策強化の必要性が打ち出され、具体的な検討がなされています。

私たちは、違法伐採木材の排除において強制力のある、実効性の高い制度とするには、〜@違法伐採の定義を明確にし、その取引を禁じること、〜A違法伐採木材の取扱いを避けるため、違法リスクが低いことの念入りな確認(デュー・デリジェンス)を事業者に義務づけること、〜B取引規制違反等に対して罰則を導入すること-の3点を不可欠な要素として提言します。

日本が米国、欧州連合、オーストラリア等の先進諸国と共に違法伐採を認めないという明確な姿勢を示すことで、汚職・腐敗を増長し国際犯罪ネットワークの財源となっていると言われている違法伐採を国際社会から排除することに資することができます。2016年のG7伊勢志摩サミットにおいて違法伐採対策の強化を明言し、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、さらにその先を見据えて世界の持続可能な森林経営に寄与することを目指し、国内で違法伐採木材を流通させない体制を整えることで、開催国日本の「責任ある木材調達国」としてのリーダーシップを発揮することが強く望まれます。

国際環境NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン、特定非営利活動法人ヒューマンライツ・ナウ(HRN)、WWFジャパン、サラワク・キャンペーン委員会(SCC)(順不同)

[1] 国連食糧農業機関(2010年)「世界森林資源評価2010」。1,300万ヘクタールは植林等による増加は含まない数値。

国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

関連キーワード