日本の原子力規制の欠陥が露呈ーーケーブル分離、MOX燃料使用など問題山積みのまま高浜原発再稼働へ
RELEASE ENERGY 2016.01.29

日本の原子力規制の欠陥が露呈ーーケーブル分離、MOX燃料使用など問題山積みのまま高浜原発再稼働へ

国際環境NGOグリーンピースは本日、関西電力高浜原発3号機(福井県)が再稼働される予定であることを受けて、原子力規制庁は東京電力柏崎刈羽原発などで明らかになったケーブル敷設不正が高浜原発であったかどうかの確認ができていないことを批判しました。

この原子力規制の欠陥は周辺の住民を大きなリスクにさらすことになります。再稼働される高浜原発3号機では、ウラン燃料よりも扱いが難しく事故時の被害も拡大するプルトニウムMOX燃料が使用され、これは新規制基準下では初めてとなります。

グリーンピース・ジャパンのグローバル・シニア・エネルギー担当のケンドラ・ウルリッチは「ケーブル敷設不正という、最悪の場合メルトダウンにつながるような重要な火災防護措置違反の可能性を残したまま再稼働を許すのは無責任です。また、今回使用されるプルトニウムMOX燃料の品質管理データは公開されていません。以前高浜原発で使用される予定だったMOX燃料の品質管理データが捏造されていたにも関わらず、原子力規制機関として製造者にデータを要求しないのは、規制の緩さを露呈しているだけでなく、いまだ原子力産業側の虜のままであることを示しています。この賭けで犠牲になるのは日本の住民です」と批判しました。

1月21日、原子力規制庁は市民団体との質疑応答の場で、安全上重要なケーブルと一般のケーブルをきちんと分離して敷設しているかどうかについては、抜き打ち的な検査しかしていないことを明らかにしました(注1)。つまり、分離すべき全ての部分についての確認ができていません。もし、安全上重要なケーブルと一般のケーブルがきちんと分離されていなければ、火災の際に延焼し、原子炉冷却に必要となるケーブルが使えなくなることもありえます。米国の原子力規制委員会はこのリスクを重大なものとらえ、ケーブル火災からメルトダウンに至るリスクは、他の全ての潜在的な要因を合わせたリスクとほぼ等しい、と推定しています(注2)。

高浜原発3、4号機の潜在的なリスクに加え、原子力規制委員会はMOX燃料について東京電力福島第一原発事故以後に詳細な評価をしていません。MOX燃料については、事故以前の、原子力安全・保安院による評価に依拠しています。また、今回使用されるMOX燃料を製造したアレバ社は、MOX燃料集合体の製造を含み、品質管理の面において問題を起こしてきました。2010年、アレバ社が品質管理上の要求を満たすことができないと理由で、原子燃料工業(NFI)に基準を下げさせるといった事態にも至っています。

グリーンピース・ドイツの核問題シニアスペシャリストのショーン・バーニーは「致命的な安全上の問題が関西電力と原子力規制委員会によって無視されています。福島第一原発事故から5年になろうとするのに、日本の原子力規制は緊急事態に安全上重要なケーブルがきちんと機能するか否か、また、プルトニウムMOX燃料の品質についての確認ができていません。40機もの原発が動いておらず、そのうちの多くはおそらく二度と稼働させることはできないという原子力産業にとっての危機は続いています。2011年に54機あった原発のうち、3機しか稼働していない。それは、日本がもう原子力には戻れないということです。やがて日本政府も世論に追いつき、自然エネルギーにしか未来はないのだと気がつくでしょう」と話しました。

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