グリーンピース、東電福島第一原発事故のリスクは進行形と警告 ――福島県浪江町の除染廃棄物仮置き場で火事
RELEASE ENERGY 2016.03.07

グリーンピース、東電福島第一原発事故のリスクは進行形と警告 ――福島県浪江町の除染廃棄物仮置き場で火事

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは本日、5日に起きた福島県浪江町の除染廃棄物仮置き場での火事を受けて、東京電力福島第一原発事故のリスクがまさに進行形であると警告しました。

報道によると、福島県浪江町の除染廃棄物仮置き場には除染で出た枯れ枝や枯れ草を袋に詰めて積みあげられ、火事は5時間後に消し止められました(注1)。放射性物質を含む除染廃棄物は昨年9月末時点では福島県内の11万4700箇所以上で保管されており、体積は900万立方メートルにもなっています(注2)。

グリーンピース・ドイツの核問題シニア・スペシャリスト ショーン・バーニーは「日本政府の除染政策は、解決策のない新たな放射性廃棄物問題を生み出しています。放射性廃棄物の火災は制御できず、セシウムや他の危険な放射性物質を大気中に放出し、環境の中に再放出されるセシウムの粒子は呼吸を通して人体に入り込みます。火事が起きた場所は、日本政府が数千人もの避難者を帰還させようとしている場所です。除染が行われていますが、効果が低いばかりか、有害物質を環境中に拡散させて新たなリスクを生み出しています」と指摘しました。

3つの避難区域に再編されている浪江町からは、2万人以上が避難しています。日本政府は、そのうちの避難指示解除準備区域と居住制限区域を2017年3月に解除、賠償もその1年後に打ち切る方針です。

森林の除染に関しては、道路縁からもしくは民家から20メートルの範囲に限られています。しかし、例えば飯舘村では7割が深い森林や山々であり、そうした地域の除染は不可能です。グリーンピースは3月4日に発表したレポート「Radiation Reloaded: Ecological Consequences of the Fukushima Chichi Nuclear Accident 5 years Later」(注3、英語)で、環境被害は10年、100年と続くと警告しています。

レポートを執筆したグリーンピース・ジャパンのシニア・グローバル・エネルギー担当ケンドラ・ウルリッチは「森林の除染は、効果も作業も非常に限定的です。森林は原発事故で放出された放射能の貯蔵庫となり、森林に貯えられた放射能は森の植物や動物によって取り込まれ、長期的には環境中に再び放出されます。雨などが森に貯蔵された放射能を低地に移動させ、除染した場所は再度汚染される可能性があります。もともとは放射能の影響を受けなかった地域までも、汚染される可能性があります。こうした複雑な生態系の中では、森林から20メートルの除染では効果は期待できません」と警告しました。

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