「ネオニコやめて」14630人の声、届けました。農水省「科学的根拠を元に見直す」
FOOD 2018.06.28

「ネオニコやめて」14630人の声、届けました。農水省「科学的根拠を元に見直す」

こんにちは。食と農業担当の関根です。

6月26日、農林水産省に、「むやみに農薬を使わないお米がいい!」という14,630人の賛同(の声を農家、養蜂家、消費者団体と共に提出してきました(注1)。

要請内容は、この2つです。

-ネオニコチノイド系農薬の使用を禁止すること

-特にミツバチへの被害の大きい水田にネオニコ系散布を使用せずにすむよう、水田にネオニコを散布させる原因になっていた斑点米の規定をなくすこと*

 (*カメムシが若い稲穂を吸うとできる黒い点のあるお米、斑点米の原因となる、カメムシを駆除するために全国の水田でネオニコ系の殺虫剤が散布されているが、斑点米は精米時に簡単に除去できるため、ネオニコチノイド系農薬は本来はいらない)

署名の提出は、秋田から米農家、奈良と大阪から生活協同組合コープ自然派の理事2名、長崎からの養蜂家他のみなさんと共に行いました。(写真右は農林水産省の安岡農産安全管理課長)

斑点米はネオニコ散布の言い訳にならない

生協のコープ自然派は、農家とともにネオニコを止める実践をしていて、現在カタログ商品の8割がネオニコフリーになっています。コープ自然派理事の方から農林水産省に対し、ネオニコ系農薬を使わないお米作りが広がっていることを報告しました。

  • お米は、苗から収穫まで農薬を使わない技術が確立していること
  • 一等米も二等米も斑点米にかかわらず同じ値段で買い取っていて、産地では農家150名もの農家が取り組み、無農薬に転換する田んぼがひろがり、200ヘクタールにもなっていること
  • 消費者がきちんと理解していれば斑点米は問題にならないし、消費者にとっては大事なのは安全と美味しさであること

そして、

  • ネオニコ系農薬は、子どもの脳や神経への発達に影響を与える発達神経毒性が強く、地域の環境や食品の汚染が心配

 という消費者の思いを伝え、だから斑点米はネオニコ系などの農薬を使う根拠にはならない、と訴えました。

コープ自然派の、ネオニコ系農薬を使わないお米づくりについて、詳しくはこちら>>

[写真提供:生活協同組合コープ自然派事業連合]

ネオニコ「科学的根拠を元に見直し」と農水省

 農林水産省の安岡農産安全管理課長からは、今後のネオニコの規制の可能性について次のような回答がありました。

  • 農薬取締法が今月(6月)初めに改正され、農薬の再評価を行うことが決まったところ。
  • ネオニコについても国会でたくさん取り上げられているので、科学的根拠をもとに見直していく
  • 発達神経毒性の評価についても重要なものとして今後対応していく

というものでした。ここはとっても重要なポイントなのでちょっと補足します。

ちなみに、ネオニコ系農薬を水田で無駄に使わせることになっている、斑点米の混じった米の等級が下がる制度について、科学的根拠がないことが明らかになっています。詳しくはこちら>>


[写真:コープ自然派の契約農家のエリアでは無農薬の水田が広がるにつれてコウノトリが帰ってきてヒナも育っている。]

 「農薬取締法」改正とネオニコをめぐる議論

5月31日に衆議院、6月7日に参議院のそれぞれ農林水産委員会で、農薬取締法の改正が審議、可決されました。

この審議のなかで、ネオニコチノイド系農薬を巡って国会議員から何度も何度も、質問や要請が投げかけられました。

特に重要だったのは、次の2つ。

ポイント1

議員 「(農薬の承認のときに)発達神経毒性の試験を義務付けるべき」(注2)

政府担当者「正式な試験要求項目として追加することについて検討をはじめている。早急に結論を出したい」(6月7日参議院農林水産委員会)

 ポイント2

議員 「ネオニコを優先的に見直すべき」(注3)

農林水産大臣「欧州で使用規制の対象となっているネオニコチノイド系の3農薬は、使用量が比較的多いことから優先的に評価を行いたいと思います」(6月7日参議院農林水産委員会)


この2つの質疑応答は、今後、日本でのネオニコチノイド系農薬の使用の規制につがりうるもので重要です。

今から再評価、というのはあまりにも遅いのですが、一日も早く、かつ確実に実施されてネオニコ規制につながるよう、この先ますます、消費者や農家がしっかり見届け、意見を伝えていくことが重要になります。

ネオニコフリー、そしてオーガニックに向かうムーブメントは拡大中

今回、そういうタイミングで、14,630人もの皆さんの声を携えて、農家や養蜂家と一緒にネオニコを使わない取り組みの事例をシェアしながら、農水省と交渉できたことは、政府に念押しすることにもつながりました。

みなさん、このあとも引き続き政府の動きをウォッチし、各地の農家や消費者、また小売店のネオニコフリーやオーガニックへ向かうムーブメントをさらに大きくしていきましょう。

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注1 キャンペーン『農薬をむやみに使わないお米がいい!』呼びかけNGOなど9団体:

生き物共生農業を進める会米の検査規格の見直しを求める会食政策センター・ビジョン21生活協同組合コープ自然派事業連合ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議提携米研究会日本有機農業研究会反農薬東京グループ国際環境NGOグリーンピース・ジャパン

注2  参議院の川田龍平議員、小川勝也議員による

注3 衆議院の亀井亜紀子議員、参議院の川田龍平議員による

注4 クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種

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ライター 食と農業チーム 関根

食と農業チーム 関根

関根 彩子 Ayako Sekine
食と農業担当キャンペーナー 
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