暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。
ENERGY 2018.11.18

暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。

寒くなってきましたね。14日には北海道でも記録的に遅い初雪が降ったそうです。

記録的といえば、この夏の猛暑。全国各地で、子どもの通う学校にエアコンを設置してもらうために署名活動をした、地元議員に陳情した、という方もたくさんいました。

子どもたちに環境を、”暮らせる状態で” 残すには、気候変動を危険なレベルに突入させないことが必要です。

具体的には、地球の平均気温の上昇を1.5℃未満(産業革命前から)に抑えなくてはなりません。1.5℃の上昇でも影響は現在よりさらに深刻化しますが、2℃と比べるとリスクは大幅に減らせるからです。

1.5℃未満に抑えるためにIPCC(気候変動に関する政府間パネル)報告書では

  • 石炭の総消費量は、2030 年までに少なくとも3分の2削減する
  • 2050 年には石炭火力発電はほぼゼロにする必要がある

としています。[注1、2]

暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。

(c)Soojung Do/Greenpeace

住民のみなさんに聞いてみた

石炭火力発電所は、気候変動を悪化させるだけでなく、地元住民の生活にも大きく影響します。建設計画のある地域の住民の人たちの意見はどうなのでしょう。

私たちは、千葉県袖ケ浦市に建設が計画されている石炭火力発電所について、周辺4市(袖ヶ浦市、木更津市、市原市、千葉市)の住民の方を対象にアンケートを行いました。[3](委託先 楽天インサイト(株)調査期間 2018年9月21日〜26日)

"地球温暖化が一番気がかり、子や孫の世代が心配”

最も関心のある環境問題は「地球温暖化」が55.9%で最も高く、次いで多かったのは大気汚染(7.2%)でした。

暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。

その理由は、自然環境面では「異常気象や気象災害の増加が心配」が80%を超え、人や社会への影響面では、「子どもや孫の世代の社会環境への影響が心配」(47.4%)が最多で、特に18歳以下の子や孫のいる人に限っては60.1%と、将来世代を心配する回答が際立っていました。次いで多かったのは「健康への影響が心配」(29.7%)でした。

 

暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。

"大気汚染も心配”、でも石炭火力発電所の問題はあまり知られていない

窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、水銀、PM2.5などによる大気汚染につい

て心配する人は81.4%にのぼるのに対し、石炭火力発電所もそれらの排出源となっていることを知っている人は60.1%にとどまりました。また火力発電の中で石炭火力発電が最も多く二酸化炭素を排出することを知っていた人は半数以下でした。

 

地元の大型火力発電所の計画について情報はほとんど届いてない

暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。

”地球温暖化対策や自然エネルギーの推進をもっとやってほしい”

政府が温暖化対策をもっとやるべきと答えた人が最多の58.7%、政府や行政が省エネや持続可能な自然エネルギーを推進してほしいという意見は80.7%にのぼりました。

暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。

”支援してほしい地域の電気は自然エネルギー!”

今後、地域の電源として政策的な支援や投資をしてほしい電源をきいたところ(複数回答)、多い順に太陽光(68.0%)、風力(51.6%)、水力(33.4%)、地熱(29.7%)など、自然エネルギーが上位を占めました。

 

暮らせる未来はまだ守れる、でも時間がない。

希望はある、でも残された時間はとても少ない

アンケートの結果からは、住民の方が、地球温暖化が最も気がかりで、子どもや孫の世代のことを心配し、もっと対策をすべき、という思いや、大気汚染への懸念もあって、石炭火力発電所よりも自然エネルギーでまわる地域がいい、という未来像が伝わってきます。

私たちは、次の世代に”暮らせる状態”の環境を手渡せるでしょうか。

IPCCの報告書は、気温上昇を1.5℃以下に抑えるためには、この先の数年間で、大幅なCO2削減に踏み出せるかどうかが鍵を握っている、としています。つまり、CO2の排出を劇的に減らした社会へと大急ぎで転換をしなければならないということです。

それには、新しい石炭火力発電所を稼働させる余地はもはやありません。石炭火力発電所の新設計画を35もかかえる日本は、迫りくる気候変動の厳しい現実に、真剣に向き合う必要があります。

これ以上、巨大なCO2排出源を作らないために、いま始められること

東京湾に面する千葉県袖ケ浦市にもいま、国内最大級の石炭火力発電所の建設が計画されています。計画しているのは、出光興産(株)、九州電力(株)、東京ガス(株)の3社です。

その一つ、東京ガスにはすでに地元の市民をはじめ全国から「建設をやめてください」という1400を超える声が届いています。東京ガスの内田高史社長は「立ち止まって考えなければならない」と、見直しの可能性を示唆し始めています。

地球環境に残された時間はわずかしかありません。

あともうひと押し。この石炭火力発電の計画を止めるよう、あなたの声を届けてください。

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ライター エネルギーチーム

エネルギーチーム

自然エネルギー、石炭火力発電、原発再稼働問題、福島放射能調査など科学的根拠に基づいて活動を続けています。エネルギーについてのページはこちら> http://www.enerevo.jp/

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